映画『C Q』劇中映画「ドラゴンフライ」の活躍が見られる映画
少し間が空いてしまいました。
本日ご紹介する映画は、映画の中で制作されるB級映画、『ドラゴンフライ』を中心に描かれた、知る人ぞ知るカルト的な映画です。
まずは予告編からどうぞ!
映画『CQ』予告編(字幕なし)
名作『映画に愛をこめて:アメリカの夜』を現代風にアレンジ!
こんな人にオススメ!
- レトロな感じの映画が好き
- 劇中劇のB級SF映画『ドラゴンフライ』を知りたい
- 映画の制作現場に興味がある
どんな映画?
2001年に、1969年を舞台にした、映画制作の現場を描きながら、そこで撮影されているのが2001年を舞台にした近未来映画、と言うちょっとややこしい作品。
女スパイを主人公にしたB級映画の制作にまつわるトラブルを、突然監督にされた若者の苦悩と合わせてコミカルに映画。
舞台の殆どがフランスだが、正真正銘のアメリカ作品。
監督は、フランシス・F・コッポラの息子、ローマン・コッポラで、これがデビュー作となる。
フランシス・F・コッポラの名前を聞いては、映画ファンなら見逃す訳にはいきませんね。
▶︎▶︎▶︎ B級SF映画『ドラゴンフライ』のラッシュ(完成前の映像だけを撮ったフィルム)を見たプロデューサーは、あまりのラストのつまらなさに激怒し、監督のアンドレイ(ジェラール・ドパルデュー)をクビにする。
次に、イタリアの人気監督と急遽契約するが、それも交通事故で不可能になる。
そこで白羽の矢が立ったのは、編集をしていたアメリカの青年ポール(ジェレミー・デイビス)だった。
突然監督にされ、これはチャンスだと考えたポールだが、プロデューサーからは最高のラストを考えろ! とプレッシャーを受ける。
ポールは、プライベートを8ミリでセルフ撮影して、自分のドキュメンタリーを撮っていたが、同棲中のマルレーヌとの仲もギクシャクしていた。
そこに現れた、『ドラゴンフライ』のヒロイン役、ヴァレンタイン(アンジェラ・リンドヴァル)の魅力に、惹かれ始めたポールは彼女に恋を……。
おまけに、完成した作品のフィルムが何者かに盗まれてしまい……。
見所&解説
『映画に愛をこめて:アメリカの夜』
このフランソワ・トリュフォーの名作を、リメイクしたような作りだが、その作りはかなりポップだ。
この作品のように、わざとレトロな雰囲気を出した映画、好きな人はハマるだろうなぁ。
劇中劇『ドラゴンフライ』
ゴージャスな女スパイの活躍を、チープな感じで作っていて、設定された当時1969年の雰囲気をよく再現している。
主演を勤める女優さんは、アンジェラ・リンドバルと言うアメリカのスーパーモデル。
この人にノックアウトされる男子諸君はきっと多いはず。
と言うのも、スーパーモデルと言う妖艶さは言うまでもないが、彼女の魅力はそこでは無い。
ドラゴンフライの役になる、前後に見せるスッピンの笑顔は、デビュー間もないミラ・ジョボヴィッチに似ているが、さらに透明感がある!(←個人的感想)
『キスキス、バンバン:L.A.的殺人事件』にも出ていたが、あんまり重要な役柄ではなかった。(確か…)
映画へのオマージュ
さて、フランソワ・トリュフォーを思い出させる主人公のポールに始まり、「ドラゴンフライ」のヴァレンタインは『バーバレラ』を完全に意識している。
その映画の中に出てくるレジスタンスの月のアジトは、『スローターハウス5』だし、首領はチェ・ゲバラだ。
二番手の監督の契約をし、交通事故で降板してしまう監督は、多分、イタリアのフェデリコ・フェリーニがモデルだろう。
監督のローマン・コッポラ
さすが父親の血を引いている、と言う感じがする。
ヌーベルバーグに憧れていたんだと思われるスタンスが、この作品には大きく影響を与えている。
CMやミュージック・ビデオ界で腕を磨いたローマンの演出はそつが無い分、際立った所がない。
面白いテーマではあるが、万人ウケするような映画に仕上がっている、とは言い難いですね。
ただ、先にも記したように、ハマる人にはハマる映画である事は間違い有りません。
映画監督という職業は、出演している俳優(男女問わず)に恋しないと、いい作品は出来ないんだなぁ、そんな事を真面目に考えてしまいました。
オマケ
タイトルの『CQ』の意味ですが、アマチュア無線の用語ではなくて、映画のSEEK YOU=「君を求めて」を当字にして「CQ」としたようです。
ヒッチ先生の【談話室】
でも、なぜ、多くの監督は、時にレトロな感じの映画を作りたがるんでしょう?
特に若い監督は、小さい頃から映画を見て育ち、その頃見た映画に影響され、監督を志した。
だから、自分が監督になった時に、それを懐かしんで、あるいは憧れて作るんとちゃうかな
その影響で、ヌーベルバーグや古い映画へのオマージュが、あちらこちらに見られるんですね
コッポラの息子やろ、この監督。
父親の影響も大きいやろうな。
でも、監督としての手腕は、娘のソフィアの方が上、やな。
けど、オモロイのが、息子と娘映画って、親父の作品のちょうど半分づつ、て感じやな
息子は様式美、娘は人間至上主義、つまりスポットライトの当て方が、親父の作品作を、ちょうど二で割ったような、と言うか分けたような作りやないか
さすが先生、本日もありがとうございました!
作品インフォメーション
この映画を見るには、次の方法があります!
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