映画『ノッティングヒルの恋人』全てがすれ違いによって構成されたラブコメの名作!
新年あけましておめでとうございます。
2024年もよろしくお願いします!
一度見たぐらいでは、この作品の構成はあんまり気にならいでしょうが、好きで何度も見ていると、違った面が見えてきました。
果たしてそれは……。
“世界一のスターが、街角で本屋さんとぶつかった…”(キャッチコピー)
・甘く切ないラブ・ストーリーが見たい
・男子目線の恋愛に興味がある
・この作品が好きなリピーター
1999年、英米合作の名作ラブ・ストーリー。
「ハリウッドの大物女優と、一般庶民の恋愛は成就するのか?」を物語の中心に置き、大女優が、一人の女性として現実社会で悩み、男は、まるで夢を見ているような、非現実的な悩みを描いてみせます。
主役のウィリアム・タッカーにヒュー・グラント、大女優のアナにジュリア・ロバーツを迎え、男女のすれ違い、噛み合わないトンチンカンな会話、大女優と接点の無いはずの一般人のすれ違など、全ての要素がバラバラで構成されています。
見ている観客も、イライラする場面もありますが、最後には、ピースがピタッとはまるジグソーパズルのような快感がある名作です。
▶︎▶︎▶︎ ロンドンで、旅行書専門の本屋を経営するタッカーの店に、ハリウッド女優のアナが訪れる。
少し驚いたタッカーだったが、この時は何も起こらず、少しの会話をしただけで、アナは本を買って店を後にする。
ところが数分後、タッカーは、オレンジジュースを買った帰り道に、街角で女性とぶつかり、ジュースで服を汚してしまう。
その女性こそ、さっき店に来ていたアナで、彼女は激おこ。
タッカーは家が近いので、シャワーを使って欲しいと申し出る。
渋々タッカーの家に行く事にしたアナは、服を洗っている間に、タッカーのTシャツを着て、彼の前に姿を表した。
それを見たタッカーの心はときめいたが、それは前途多難な、恋の物語の始まりだった……。
↑ 映画館デートで、ターナーは眼鏡を忘れて、レンズ入りのゴーグル(スキューバ用?)を着用…。
見所は、全てが噛み合わない世界観
何回この映画を見たことでしょう。
そんなファンもきっと多いと思います。
僕もそんな一人ですが、ある時、ふと変な事に気がつきました。
それは、出演者たちの会話や行動が、全く噛み合っていない、と言う事です。
例えば、一番分かりやすいのが、同居人スパイク(いい味出してます)との会話。
もちろんキャラ設定もあると思いますが、そう思って見ると、親戚たちとの会話もチグハグだし、アナとタッカーの会話や行動も、上手く行きそうで、すれ違ってしまう、何回も。
住む世界が違う二人
元々、大女優と一般人なんて言うのは、住む世界が違い過ぎて、考え方、生き方が違って当たり前、すれ違いでしかない。
初めてアナを訪ねて、ホテルの記者会見場に行った時も、雑誌記者と名乗ってしまい、色んな人にインタビューされ、作品の感想を聞かれるが、見ていないターナーの答えはチグハグで、色々突っ込まれてしまう。
また、二人で仲良くしていたと思ったら、アナが急に怒り出し、何で怒ってるの? そこに? と言った感じで、やっぱりなんだか変。
アナがターナーをホテルの部屋に誘っておきながら、いざターナーが部屋を訪ねると、男(アレック・ボールドウィン)がいて、アナは恋人だと紹介……。(いや、恋人おったんか〜い)
このチグハグさが原因で、ターナーは劇中、アナに3回も失恋する事になり、あの悲しい感覚を味わされてしまう。
ジグソーパズルのピースがハマる瞬間
ところが、ラスト近くになて物語が進んで行くと、まるでミステリー映画における伏線回収のように、パズルのピースが一つ、また一つとハマって行くのです。
ああ、このチグハグさは、最初から意図されたもので、最後のピースがピタッとハマった時の快感は、そのままハッピーエンドへと……?(内緒)
定期的に見たくなるこの映画の魅力は、最後の快感を味わいたいからかも知れませんね。
↑ 感想は、あくまで個人的なものです。
さて、今年の夏頃買った雑誌に、ロンドンの本屋さんを特集する記事で構成されていて、この『ノッティングヒルの恋人』のモデルとなった本屋さんもの載っていたので、ちらっと紹介しておきます。
イギリスでの生活模様を、自身の生活に取り入れることをコンセプト(?)に作られている雑誌。
ただ、実際の撮影は、もっとハズレの方に位置した場所で行われ、現在は、その本屋さんは廃業されています。
でも、雰囲気は、確かにありますよね。
この映画を見るには…
1. U-NEXTなら、古い映画にもかなり力を入れています
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ディスカッション
コメント一覧
こんばんは。久し振りにコメントをしたいと思います。
この映画「ノッティングヒルの恋人」は、ロンドン市内で小さな旅行書専門店を開いているヒュー・グラント演じる主人公の店に、イギリスを訪問中だったジュリア・ロバーツ演じる、ハリウッドの大人気女優が、ふらっと立ち寄ったことから始まるお話ですね。
偶然の再会、人目を避けた秘密のデート、何度か出会いを繰り返すうち、どんどん惹かれ合っていく二人。
全く違う世界に住む、この二人の可笑しくもロマンティックな恋模様。
虚構の大スター役に、真の大スター、ジュリア・ロバーツ。これが完璧な適役ですね。
スター然とした、その存在感は、大スターにしかないオーラを発していますね。
相手役のヒュー・グラントもなかなかいいですね。その優しさと臆病さから、恋人との住む世界の違いに真剣に悩む、傷つきやすいという男の役が、本当によく似合いますね。
不器用な言葉に込められた、誠実な思いには、大スターの心でさえも揺さぶるのに十分な説得力がありますね。
そして、ヒュー・グラント主演の「フォー・ウェディング」で名を売ったリチャード・カーティスの脚本で、この映画を最後まで退屈させずに楽しませてくれたのは、彼のウィットを効かせた脚本の妙にあると思います。
特にヒュー・グラントが、ジュリア・ロバーツの新作映画のキャンペーン取材に紛れ込み、雑誌の記者になりすますハメになるシーンは、本当に巧いですね。
彼は「ミスター・ビーン」の脚本も手掛けていて、どうりで面白い訳ですね。
この映画は、あまり現実味のない話ですが、ロマンティック・コメディというものは、そういう現実味の欠如ゆえに輝きを増すことがあるものです。この映画はそんなケースの一つだと思います。
人気女優が、ノッティングヒルの冴えない男に惹かれていく理由や、その過程が、必ずしも十分に描かれているとは言えないけれど、そんなことがあっても不思議ではないな、と思わせたら勝ち。
そんなことがあったらいいな、と思わせたら大成功なんですね。
クライマックスは記者会見だ。そう、記者会見である。
もちろん、こういう設定は、「ローマの休日」を重ねていて、オマージュを捧げていますね。
わかっていても、幸福な気分でいっぱいにしてくれる感動的なシーンですね。
それにしても、主演二人の夢物語に終わらせず、脇役を丁寧に描く脚本が、実にいいですね。
主人公と同居している、調子ハズレのアーティストや、主人公の兄妹、さらにはホテルのフロントマネージャーなどが、ある意味、たいへん愛情を持って描かれ、人間味のあるキャラクターになっていて、とても良い味を出していると思います。
こういう日常的な世界をきちんと構築してあるから、大胆にもハリウッドの大人気女優を連れこんでくる面白さが活きてくるんですね。
「プリティ・ウーマン」で人気が爆発してから、一度は沈んだキャリアでありながら、公開当時、再び最前線に戻ってきたジュリア・ロバーツは、もともと持っていた親しみやすさに加え、一種の貫禄が出てきたように思います。
ハリウッドの超人気女優という役を説得力を持って、悪びれずに演じて見せて、華もありますね。
一方のヒュー・グラントは、実に器用な人で、今回も絶妙の間とセリフ回しで笑わせてくれます。
ちょっと頼りなさげで冴えないけれど、誠実そうな人物を演じて実にハマリ役ですね。
こういう役を演じさせたら、彼の右に出るものはいませんね。
夢の中から現れたような事態に、心ときめかせ、じたばたし、夢から覚めて、ため息をつきもする。
等身大の恋する男の説得力が、全身から滲み出ているんですね。
ケーリー・グラントの再来だと言われるだけのことはありますね。
思い切り笑わせながら、ドタバタ寸前で止める演出のさじ加減もいいですね。
ウイットに富んでいて、軽快で、非常に楽しい作品で、エルヴィス・コステロが歌う主題歌「SHE」が、素晴らしくロマンティックですね。
ご無沙汰してます。
コメントありがとうございます。
mirageさんもおっしゃっている通り、僕も現代版『ローマの休日』じゃないか、そう思っていつもこの作品を楽しんでいます。
また、ヒューの性格は、映画を見ていて本当に楽しく、彼が主演する映画は、これ演技? と思ってしまうほど、その性格の良さが表れているように思います。
女性なら、みんな彼のファンになる、そんな母性をくすぐるような性格(演技だとは思いますが)が羨ましいです。
リチャード・カーティスを知ったのは、僕のお気に入りの映画『パイレーツ・ロック』の監督を務めた事から。
アメリカ人には無い、英国特有のウィットに見た作品で、TVシリーズ「ドクター・フー」も好きでした。
最近では『イエスタディ』の、ジョン・レノン登場シーンで、号泣させられました。
ジュリア・ロバーツは、2000年代に入ってからは、あまりパッとしませんが、1990年台の彼女は無敵でした。
『ペリカン文書』『フラット・ライナーズ』は特に気に入っていますが、『プリティ・ウーマン』は別格の可愛らしさでした。
mirageさんのおっしゃる通り、絶対ないようなストーリーですが、夢がありますよね。
中でも、エルビス・コステロの歌う「she」は絶品で、映画の中でも感動しますが、ミュージック・ビデオでは、映画ファンなら涙なくして見られません。(サントラも買いました)
mirageさんのコメントには、いつもハッとさせられるような内容なので、とても楽しみにしています。
また、こうやって、映画の話を深堀で話せる事が、とても幸せです。
僕の周りには、あまり映画に詳しく話せる人がいませんから。
また、時間があったら、コメントをお寄せ下さい。
楽しみにお待ちしています。