映画『ヒドゥン』あのラストシーン、あなたはどっち派?
もし、あなたがこの映画を見ていなかったら、それはかなりもったいない事です。
どーも、ロッカリアです。
本日紹介するのは、SFとアクションのハイブリッド作品です。
記事の最後に、見た人を対象、あのラストを問うネタバレ解説にしています。
ファンタスティック映画祭グランプリはダテじゃない!
・スカッとするアクションが見たい
・バディ・ムービー(相棒映画)は好き
・隠れた良品の映画が見たい
どんな映画?
アメリカのテレビドラマ「ツイン・ピークス」が世界中で大ヒット。
FBI捜査官を演じたカイル・マクラクランが、特異なキャラクターで注目されました。
本作でも、FBI捜査官を演じますが、ここでも特異なキャラクター役。
その正体は、あえてここでは言いません。
その彼とコンビを無理やり組まされ、凶悪犯を追いかけるのが、『フラッシュダンス』でアレックスの恋人を演じたマイケル・ヌーリー。
この二人が、エイリアンに寄生され、凶暴になり、次々に体を乗り換えて行く犯人を追い詰めて行く。
だが、追いかける対象の人物が次々と変わるので、捜査は難航して……。
それまでに無かった、ハードロックをガンガンかけ、フェラーリをぶっ飛ばし、銃を撃ちまくる犯人のアイデアが、観客を魅了します。
一点だけ注意、それはエイリアンが人の体に寄生するシーン。
かなりグロい、と言っておきます。
ただ、このシーンが、ラストに効いて来るのです。
アボリアッツ・ファンタスティック映画祭で、グランプリを取った実力は、間違いありまあせん!
▶︎▶︎▶︎ 平凡な市民がスポーツカーで暴走、街行く人々を平気ではねる。
警察の静止を無視、パトカーの列に突っ込み車は大破し炎上、ドライバーは死亡する。
ロス市警のトム・ベック(マイケル・ヌーリー)は、何故、一般市民が暴走したのか不思議に感じていた。
そこにFBI捜査官を名乗るギャラガーと言う男(カイル・マクラクラン)が現れ、犯人を追ってここへ来たと言う。
犯人は死んだ、と言うトムに、ギャラガーは、また同じような事件が起こると告げるが、トムは相手にしない。
だが、ギャラガーの忠告はすぐに、現実のものとなって……。
見所&解説
次々とスポーツカーのように人体を乗り換え、暴れ回るエイリアンが凄い
この映画の見所は、何と言っても、寄生型エイリアンと、それに立ち向かうロス市警の闘いであり、そこに生ずるアクション・シーンです。
若いFBI捜査官と、ロス市警で有能な刑事との、凸凹コンビ風のバディ・ムービーとしても楽しめます。
全編ノンストップ・アクションと言えるこの映画で、二人の関係が良い味を出し、魅力的に描かれて行くうちに、あのラストシーンに繋がって行くのです。
未見の人は、とにかく見て下さい。
長年、あのラストシーンの解釈に迷ってきました。
奥さんと娘がいて、良きパパだったトムは、病院で息を引きとる。
同じ病室にいたギャラガーは、残された家族の事を思い、トムの口に向かって大きく口を開いた。
「うわ! ギャラガーも寄生するのか⁉︎」
次の瞬間、あの凶暴でグロテスクなエイリアンではなく、美しい光がトムの口から体内に注がれた。
そしてギャラガーは、その場に倒れ、息を引きとる。
トムは、病室に入って来た家族に微笑んだ……。
最初にこの作品を見た時に、そりゃあ、ラストであのグロちゃんは無いよな、と、てっきりギャラガーの中に居たエイリアンがトムに寄生し、その後人間トムとして生きて行くんだなと考えた。
何故なら、元の人間としてのギャラガーは、すでに死んでいた事が劇中で明かされていたから。
娘がパパを見て、「?」的な、微妙な表情が、それを物語っていると解釈しました。
しかし、時間が経って、いや待てよ、あのラストシーン、ひょっとして、ギャラガーが自分の命を、残された家族の気持ちを思い(ギャラガー自身がそうだから)トムに与えたのか?
そう思うようにもなりました。
でも、命を与える、吹き込むなんて、一体どんな物理的作用だ? と疑問に思う部分もあります。
まだ、寄生する、と言う方が科学的に納得できるのではないでしょうか。
グロく見せられないので(最後の最後で)、ああ言う光の演出にしたんじゃない?
この二つの解釈の間を、ずっと行ったり来たりしていました。
SF寄りの解釈だと「寄生」
ファンタジー寄りだと「命の光」
ここまで読んで下さった映画ファンの方、簡単で結構なので、是非、ご意見をお聞かせください。
今回久しぶりに見て、僕的には、ファンタジーとして、捉えた方が、あのラストシーン、罪悪感が無いような気がします。(何せ、僕はウルトラマン世代なので……)
ようは、自分の解釈なのかなぁ……、と、身も蓋も無い結論に、いつも辿り着いてしまいます。
映画『ヒドゥン2』では、完全にベックはエイリアンなんだけど、この続編は無視したい。
ちなみに僕は、U-NEXTに加入しているので、課金なし(無料)で見ました(↓)
ディスカッション
コメント一覧
こんばんは、ロッカリアさん。
私の大好きな映画の1本「ヒドゥン」の紹介をされていますので、コメントしたいと思います。
この映画は、悪玉エイリアンを追うFBI捜査官とロス市警特捜班の息詰まる死闘を描いた、第16回アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭グランプリ受賞作ですね。
ロサンゼルスで普通の人間が銀行強盗をしたり、人を殺す事件が続発する。
ロス市警のベック刑事(マイケル・ヌーリー)は、FBIの捜査官ギャラガー(カイル・マクラクレン)と共に、捜査に当たることになる。
次々と人間をボデイ・スナッチし、残虐な行為を重ねるエイリアンと、それを追う刑事。
そして、やはり人間を装いFBI捜査官として”悪玉エイリアン”を追う、善玉エイリアン——–。
この三者の壮絶な戦いが、ロサンゼルスの街を舞台に超ハードなバイオレンス・タッチで描かれていくんですね。
この悪玉エイリアンは、会計士、ストリッパー、犬、上院議員、警官、そして最後には何と大統領候補にとり憑くのですが、ベック刑事とギャラガー捜査官の必死の活躍で退治されることになるのだが——–。
悪玉エイリアンが、ハードロック好きでスピード狂、非道の限りをつくすという設定や、撃たれても簡単には死なず、ボロボロの体で立ち向かってくる不気味さなどに、ジャック・ショルダー監督のセンスの良さが光っていると思います。
冒頭のカー・チェイス、次々と宿主を変えていく悪玉エイリアンを追跡していく様が、テンポよく描かれ、この次々に姿を変える犯人の特性が、ストーリーに捻りとスピード感を与えていて、実に小気味いいんですね。
善悪両方のエイリアンが、地球の人間に対して、全く正反対の接し方をしており、特に善側のギャラガー捜査官が、ベック刑事との間に友情を育む点がセンチメンタルではあるが、ジーンときてしまいましたね。
とにかく、よく出来たB級映画の典型的な作品で、映画好きの私のツボを押さえた、本当に楽しくて面白い映画のお手本のような作品で、小品ながら、監督、製作クルー、俳優たちの映画愛に満ちた職人芸を堪能出来ましたね。
この作品での素晴らしいSFXは、「エルム街の悪夢2」でも、ジャック・ショルダー監督とコンビを組んだケヴィン・イェーガーで、この人はあの「チャイルド・プレイ」の人形のチャッキーも手掛けていることでも有名ですね。
そして、脚本のボブ・ハントというのは、「張り込み」の脚本も書いているジム・コウフの別名で、「若い僕のような脚本家がホラーを書くと、それしか注文が来なくなるのを恐れて、別名にした」というエピソードが残っていますね。
また、監督のジャック・ショルダーは、この脚本を読んで、「ユーモア、創造性、緩みのないペース、良いキャラクターがいっぱい」と一目で惚れ込んだということです。
この作品はまた、エイリアンが登場する一連の作品の走りでもあり、その後もゾンビ、サイボーグ、殺人狂などへと変わった警官の登場する映画が、続々と作られていますね。
コメント有難うございます。
やっぱり mirageさんもお好きでしたか。
おっしゃる通り、小気味いいんですよね、物語のテンポが。
【脚本のボブ・ハントというのは、「張り込み」の脚本も書いているジム・コウフの別名で、「若い僕のような脚本家がホラーを書くと、それしか注文が来なくなるのを恐れて、別名にした」というエピソードが残っていますね。】
へえ〜、そんなエピソードがあったんですね、知りませんでした。
【この作品での素晴らしいSFXは、「エルム街の悪夢2」でも、ジャック・ショルダー監督とコンビを組んだケヴィン・イェーガーで、この人はあの「チャイルド・プレイ」の人形のチャッキーも手掛けていることでも有名ですね。】
これも知りませんでした。
mirageさんのトリビアを知ってから、この作品を見たら、もっと楽しめただろうなと思います。
僕はもう、単純に、ポテチを食べながら、気楽に見ていただけですから……。
【この作品はまた、エイリアンが登場する一連の作品の走りでもあり、その後もゾンビ、サイボーグ、殺人狂などへと変わった警官の登場する映画が、続々と作られていますね。】
そうですね、変わり種警官と言えば、同じ年に『ロボコップ』も作られましたが、僕はこれも好きです。
また、mirageさんの気に入った作品があれば、コメントよろしくお願いします。
トリビアも楽しみにしています!