映画『サブウェイ・パニック』実は緻密に計算された犯罪映画！
地下鉄をハイジャックした知能犯は、どうやって警察の包囲網から逃げたのか！
こんな人にオスス！
- クライム・サスペンスが見たい！
- オチがある映画が好き
- ニューヨークの地下鉄に興味がある
どんな映画？
パニック映画ブームの1975年に日本で公開されたが、これは非常に良く出来た犯罪映画だ。
地下鉄をハイジャックした犯人たちは、地下鉄の出入口を全て封鎖され、一体どうやって逃げ出すのか？
そこがミソだが、考えてみれば、飛行機やバスジャックをするよりは合理的な計画だと分かる。
ラストは、ブレーキを細工された電車がノンストップで走り出す。
ここだけを見れば、 確かにパニック、と言えるかも知れない。
▶︎▶︎▶︎ 武装した四人の男たちは、それぞれをブルー（ロバート・ショウ）グリーン（マーチン・バルサム）、ブラウン、グレイと呼び、地下鉄をハイジャックした。
当初、事件に気付かなかった地下鉄のコントロールセンターでは、いつもと変わらないのんびりムードだったが、犯人から身代金の要求があると緊張に包まれた。
警察が出動し、地下鉄の出入り口を封鎖し、犯人の逃走を許さない体制ができた。
一方、犯人グループと交渉するのは、交通局警察本部長のガーバー（ウォルター・マッソー）は、卓越した頭脳で犯人の特定をしようとしていた。
人命を優先して、身代金を払う事になるが、犯人と警官たちが銃撃戦が起きて、死傷者が出てしまう。
身代金を手にした犯人たちは、人質の命を犠牲にして、脱出する計画を実行しようとしていた……。
見所＆解説
見所はズバリ、冷静な犯人たちの計画実行だ！
犯人のリーダー格、ブルーを演じるロバート・ショウ。
警察本部長のガーバーを演じるウォルター・マッソー。
この二人の演技こそが、この作品を一級のサスペンスにしている。
とぼけた演技が特徴のウォルターは、それを生かしながらも、敏腕刑事を見事に演じると、サメよりも怖い目で、冷徹に計画を進めて行くロバートの対照的な演技が、作品に強烈なコントラストを付けていて面白い。
地下鉄をハイジャックした犯人たちは、封鎖された出入り口から、一体どうやって逃げるのか、公開当時はそこが結構話題になったが、種明かしを見ると、「そりゃそうだなぁ」と、意外性は薄いかも知れない。余談だが、赤川次郎氏の小説「幽霊列車」のトリック、種が明かされた時も、そりゃそうだな、と言う所に落ち着いた。
だが、犯人たちが脱出しようとしている、まさにその時、ブレーキを失った列車が、ノンストップで暴走していた。
ラストに向かって、サスペンスが最高潮に達するような演出は必見です。
最後のオチは、映画史上最もユーモアにあふれている、と言っても過言じゃ無い。
タランティーノ作品、『レザボア・ドッグス』の登場人物にも、色の名前で呼ばれていたが、もちろんこの作品の影響です。
1970年代の列車映画、『カサンドラ・クロス』『大陸横断超特急』『オリエント急行殺人事件』と話題作に事欠かなかったが、この『サブウェイ・パニック』も間違いなく、映画好きを納得させるエキサイティングな映画です。
【列車関連のサスペン・アクション】
https://couchpotato2sin.com/2020/04/27/post-1751/
ヒッチ先生の【談話室】
ロッカリア
ヒッチ先生
この映画、ほんまにゆーヨークの地下鉄でロケしたんや。
最初、鉄道局が、コピーキャット（模倣犯）が現れるかも知れんと、ロケを反対してたんやで
ロッカリア
ヒッチ先生
治安なんて、無いも同然やった
ロッカリア
ヒッチ先生
マイケル・ジャクソンのMVでも、マーチン・スコセッシが悪の象徴のように
地下鉄駅でロケしたやろ
ロッカリア
ヒッチ先生
あれはホイト・シャーマン駅で撮影されたんやで。
この作品は、すでに1980年の後半頃やけど、この頃もまだまだ治安が悪かったな
ロッカリア
これについてはどうですか？
ヒッチ先生
言うとくけど、設定はニューヨークの地下鉄やけど、実際にロケされたんは
カナダのトロントやで。
明らかにニューヨークと違うから、メッチャ指摘されたで。
何も無理せんと、舞台をカナダにしといたらええのにな
ロッカリア
僕は全然気付きませんでした
ヒッチ先生
お前もニューヨークに住んでたらすぐ分かるわ
ロッカリア
それでは先生、この映画のオススメ度は？
ヒッチ先生
小粋だがオモロイで