映画『真夜中まで』タイムリミット型のサスペンス+ジャズ映画!

ロッカリア
どーも、ロッカリアです。
心の師匠だった、和田誠氏を偲んで、イラストもできるだけ師匠のイラストに寄せて描いてみました……、でもやっぱり難しい……。

大人こそ楽しめる映画です

   こんな人にオススメ!

  • ジャズが好き
  • 巻き込まれ型サスペンスが好き
  • タイムリミット型でハラハラしたい
  • 和田誠氏のイラストが好き

どんな映画?

『麻雀放浪記』『怪盗ルビイ』などを監督し、イラストレーターとしては一時代を築いた和田氏が1999年に作ったサスペンス映画。(公開は2002)
ヒッチコックが好きだった和田氏が、そのエッセンスを随所に取り入れて作った、一級の巻き込まれ型サスペンス。
ジャズ・トランペッターを主人公にしたことで、違和感なく、氏の大好きなジャズを大量投入し、名作『死刑台のエレベーター』を超えて見せる、そんな熱量に溢れた作品です。

▶︎▶︎▶︎ 都内の立体駐車場で、二人組の男に、会計士と名乗る男が殺された。
その現場を、恋人で中国人ホステス、リンダ(ミッシェル・リー)が目撃してしまい、男たちに追いかけられるハメに。
二人組は、会計士が死ぬ際に言った、ある証拠を、リンダが知っていると思い、路地裏でリンダにナイフを突き付け脅した。
そこに、近くのライブハウスで演奏していた守山(真田広之)が、休憩のためやって来た。
二人組は現場を見られた守山にナイフで襲いかかるが、リンダの行動で、守山と二人でその場から何とか逃げ出した。
守山は全く事情が飲み込めなかったが、男たちに、顔を見られたから危険だ、とリンダに言われ、仕方なくリンダに協力する羽目になる。
男たちが探している、不利な証拠を先に見つけ、警察に届けなければなかったが、リンダは不法就労で、事件を警察に通報できない身。
そして守山には、人生で重要なステージが待っている。
大物アーティストが、深夜12時から始まる守山のステージを、見にくる予定になっていた。
それまでに、守山はライブハウスに戻らなければならない。
二人組に不利な証拠を探して奔走する二人を、執拗に追いかけて来る男たち。
だが、実はこの男たちには、とんでもない秘密が隠されていた。
守山はリンダを守り、証拠を見つけ出し、真夜中までにライブハウスに戻る事ができるのか?
刻一刻と時間は過ぎて行く……。

見所&解説

サスペンスとジャズと言えば…

ヒッチコック映画のように、普通の人が突然事件に巻き込まれてしまう。
さすが、ヒッチコック映画を愛する和田誠だ! と思って見ていると、どんどんフィルム・ノワール(暗黒街映画)のようなテイストに染まって行く。
そして、この映画の全体を知ると、ああ、そうか、と分かる事がある。
サスペンス映画とジャズの組み合わせと言えば、真っ先に思い浮かぶのが、ルイ・マルが1958年、25歳の時に監督した傑作、『死刑台のエレベーター』だ。
この映画を、和田監督は大いに意識しているように感じる。
この時、音楽を担当したのが、ジャスの帝王と言われたマイルス・デイビスだった。
本作の主人公を、ジャズ・トランペッターに設定したのは、ただ逃げる時に楽器が邪魔にならない、と言う単純な理由だけではなそうだ。
守山とリンダが、逃走に使う車がオープンカーとくれば、もはや確信犯、そう思わずにはいられません。

脇役オールスターズ

守山とリンダを追いかける男たち、車を盗まれるカップル、その現場に居合わせた警官、ライブハウスの客、リンダが勤める店のオーナーと用心棒、店の出演者。
テレビを見ている普通の人、守山の女性ファン、トラックの運転手に、訳あり深夜営業の店の女等々、重要な役からカメオ出演の俳優に至るまで、よくもまあ、日本を代表するような、有名人ばかりを揃えたもんだ!
こんな贅沢な俳優陣が、一本の映画に出演するのは、非常に珍しい、と言えるんじゃないでしょうか。(ギャラを考えると…)
これは、いかに和田監督の人望があったのかを、物語っているんだと思います。

そんな中にあって、中国人役に香港の女優、ミッシェル・リーを起用したのは大正解!
映画の中で、とても輝き、生き生きしています。
『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー2』にも出ていたので、ご存知の方もいるでしょう。
守山でなくても、その美しさにやられた男子諸君も少なくないでしょう。

楽器は大切!

すごく好感が持てるのは、劇中とは言え、守山がずっとトランペットを大切にしている所。
殴られようが蹴られようが、倒れようが飛び降りようが、絶対に傷を付けない、当たり前の事を当たり前の様に演出しています。
音楽を愛するものなら、絶対にわかる、心憎い演出じゃないでしょうか!

映画へのオマージュ

ヒッチコックの影響下にあって、もちろんリスペクトしているシーンもありますが、他の映画に対しても、たくさんのオマージュが見られます。
例えば、屋上から隣のビルへ、ベルトを輪にして話あるシーン、ビルの屋上にある、コカコーラの大きな看板とネオンを背景に、リンダが襲われるシーン、ゴミを捨てるシューターから、ウォータースライダーの様に逃げるシーン、ラストにでは、柄本明が岸部一徳にタバコの火を点けるシーンなど、映画ファンなら当然知っているだろう、そんな挑発にも似たシーンに、和田監督の茶目っ気たっぷりな演出が見られます。

ライブハウスの壁に飾られている、ジャズ・ミュージシャンのイラストも、全て和田監督が描いたもので、守山が吸うタバコの銘柄は、もちろんハイライトです。(ハイライトのパッケージ・デザインは和田氏です)

和田誠氏を偲んで(以下、個人的な話なので、興味ない人は飛ばして下さい)

僕が映画のイラストを描くきっかけは、和田氏の影響がとても大きかったんです。
「これぐらいの絵なら、僕にも描けるだろう!」そう思って描き始めましたが、いざ描いてみると、そんなに甘いものではありませんでした。
あんなにシンプルな線なのに、その映画の世界観、俳優の顔の雰囲気を表現するのは、至難の技で、いかに難しいのかを痛感しました。
それ以来、和田氏を心の師と勝手に決め、画集や特集記事を買い求めました。
そんな和田氏が、昨年お亡くなりに……。
その事に触れるのが嫌で、落ち込みもしましたが、和田氏がイラストを描くと、その映画に何倍も興味が沸くように、僕も下手なりに、少しでもそんな役割が果たせたら、と勝手に考えて、イラストを描いています。

ヒッチ先生の【談話室】

ロッカリア

ロッカリア

先生、今日は先生をリスペクトしていた、和田誠氏の映画です
ヒッチ先生

ヒッチ先生

今日はあんまり、何も言いたないな
ロッカリア

ロッカリア

え? 何ででしょう?
ヒッチ先生

ヒッチ先生

ええ人やったなぁ、和田さんは。
今日は普通に、偲びたいんや……
ロッカリア

ロッカリア

せ、先生……(涙)

作品インフォメーション

この作品を見るには、次の方法があります。

1. AmazonでDVDソフト買う
真夜中まで [DVD]

2.楽天市場でDVDソフトを買う

3.近くのレンタル屋さんに行く…

 

 

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