映画 『僕の彼女はサイボーグ』実はラストシーンが、この作品の本当のテーマだった!

2023年12月12日

どーも、ロッカリアです。
本日紹介する映画は、単純なSFアクションではありません。
そのテーマは深く、そして、意外にも見逃している人が多いかも知れません。

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「ねえ、ジロー。あなたと過ごした大切な一日。私は、何度生まれ変わってもあなたと恋をするよ」(当時のキャッチコピー)

・SFラブ・ストーリーに酔いたい
・タイムトラベルものは好き
・ラストの展開に驚きたい!

どんな映画?

韓国映画『猟奇的な彼女』の郭在容(クァク・ジェヨン)が日本に呼ばれ、2008年に監督したSFラブ・ストーリー。
未来から来たサイボーグが、災難から青年を守るストーリーは、あらゆる面で『T2』の影響され、オマージュされている。
不思議なのは、最初に会った【彼女】と、一年後に来た【彼女】は明らかに雰囲気が違っていたり、冒頭ではいきなり謎の言葉を残したりしているが、全てラストへの伏線になっている。
タイムパラドックスはもちろんありますが、うまく処理しているので違和感は少ない。(後から考えると…)
SFとラブ・ストーリーが見事に溶け合った、個人的に愛すべき作品です。

▶︎▶︎▶︎ 2007年11月22日、ジロー(小出恵介)は、自分への誕生日プレゼントを買うため、デパートにいた。
そこに、何かのコスプレのようなボディ・スーツを着た女性(綾瀬はるか)が、ジローに微笑むと、服や靴を万引きし始めた。
ジローは驚いてデパートを出るが、その女性はレストランに向かうジローの気を引いたり、レストランにも押しかけて、一緒に食事をする羽目に。
その後、食事代を払うと言った女性だったが、結局お金を払わず、ジローと女性は無銭飲食で店の人と警察に追われる。
数時間の間に、色んな事が起こり、ジローは彼女を好きになり始めていた。
だが、彼女は突然、未来に帰ると言い、謎の言葉を残して姿を消してしまう。

ちょうど一年が過ぎた11月22日、ジローは同じデパートで彼女と再会するが、雰囲気がまるで違っている。
ジローは事情を聞くと、彼女は未来のジローが作ったサイボーグで、ある災害からジローを守るためにやって来たと言う。
サイボーグとの奇妙な同棲生活を送って行くうちに、ジローは彼女を本気で愛し始めていた。
だが彼女はサイボーグ、恋愛感情は一切なく、ただジローを守るためだけに存在した。
そして、未曾有の災害が、ジローに降りかかって来た……。

見所&解説

見所は何と言っても、綾瀬かルカのサイボーグの活躍と、献身的な姿。
もう一つは、最初にあった彼女と2回目にあった彼女の雰囲気が違っていたり、突然消えたり、ジローと彼女が過去へのタイムトリップをしたりと言う、SF的な仕掛けだ。

僕が間違っていたこの映画の解釈

後で、ネタバレ覚悟で説明しますが、僕はこの映画を見た時、最初、ジローとサイボーグ彼女の、切ないラブ・ストーリーだと思っていた。
ところが、ラストに近づくにつれて、最初に思った物語と違う姿が見えて来て、驚かずにはいられなかった。
そして、ラストのワンシーンで、僕はこの映画の意味を知り、さらに驚かされた。

東京大災害

これを機に、一気にSF色が高まると言ってもいいでしょう。
そして、この辺りから、数々の謎を回収し、観客の溜飲を下げてくれます。
ただ、この災害の描写は、ちょっと大袈裟で、もしこんなことが本当に起こったら、地球の最後じゃね? と思ってしまいます。

切ない恋?

主人公のジローは、可愛すぎるサイボーグの彼女を好きになって行くが、彼女には全くその気がない。
二人の物語は、時にユーモラスで、ある時は悲しく、そしてロマンティックだ。
また、ここも見どころの一つだが、彼女はジローを連れて、彼の昔の田舎へとタイムトラベルする。
ここで表現される過去は、ジローの年齢を考えると、かなり昔の日本の風景だが、監督の郭在容はあえて描写、日本人のノスタルジーを呼び起こし、昭和世代には心打たれるはずだ。

鶏が先か、卵が先か問題

これは、タイムトラベルものの宿命なので、この映画でそれを追求しても仕方がありません。
そう言う事は忘れて、この映画を単純に楽しんで下さい。

さて、以下はネタバレを踏まえて、この映画の本当のテーマを、語ってみたいと思います。
この映画を未見の人は、この映画を一度観てから、読んで下さい。
じゃないと、この映画の驚きを、体験出来ませんからね。

【個人的な意見です】

見所&解説〜ダークサイド(ネタバレ)

最初の違和感は、やっぱり、初めに会った彼女と、二回目の彼女の違和感だった。
だが、この違和感も、物語が進むにつれ、ああ、そうだったのかと、納得させてくれる。
さて、逆に質問したいが、これを観た人は、この映画をどんなふうに捉えたんでしょうか?

先に述べたように、ジローとサイボーグ彼女の切ない恋、と感じたんでしょうか?
僕は、あのラストシーンのワンカットで、ああ、この映画のテーマはそうだったのか! と驚きました。

この映画のテーマは、「ジローとサイボーグ彼女の切ない恋」ではなく、100年先の未来の彼女が、二人の物語に興味を持ち、サイボーグ彼女の記憶を自分に移植し、実際ジローに会いに来て(2007年)、恋に落ちた女性が、自分の命を賭けて、100年後(2008年)のジローと運命を共に、暮らして行こうと誓った、彼女の時空を超えた愛情物語だったのだ。
だから、最初と最後が、未来の彼女の姿で終わっていたんです。

作品インフォメーション

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SF

Posted by rockaria