映画『博士の異常な愛情』どこかのバカが、核戦争を始める日!

2021年3月28日

ロッカリア
どーも、ロッカリアです。
名匠スタンリー・キューブリック監督、初期の問題作を今日は取り上げてみます。
決して過去の作品、と言えない所が恐ろしい映画です

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映画『博士の異常な愛情』予告編(字幕なし、広告スキップで)

今見る方が衝撃が大きい!

   こんな人にオススメ! 

  • スタンリー・キューブリックの作品が見たい
  • 核戦争突入のプロセスが見たい
  • ブラック・ユーモアは嫌いじゃない
  • ピーター・セラーズの怪演が見たい

どんな映画?

1964年、米ソ冷戦時代に、キューバ危機を背景にして作られたブラック・ユーモア作品で、核戦争の時代を皮肉って描いている。
そんな位置付けの作品だが、現代の目で見ると、色んな意味で、ブラック・ユーモア作品だと、割り切れない所があります。
核兵器搭載の爆撃機を扱う映画は、核戦争のシミュレーションとして成立する作品だった当時だが、今はボタン戦争の時代。
日本の上空を、大陸弾道ミサイルが、当たり前のように飛んでいく今、一体誰が戦争を阻止できるのか?
この映画での、最高会議を見てしまうと、それは不可能のように見えてくる……。

▶︎︎▶︎▶︎ 最終兵器(ソフト、オンエアではそれぞれ呼び方違っている。NHKーBS では絶滅兵器だった)をソ連が密かに開発した頃、アメリカ軍基地のリッパー将軍は、突然基地を閉鎖して、34機の核を搭載した爆撃機に「R作戦」の実行を命令する。
「R作戦」とは、ソ連に対して核攻撃を実行すると言う司令だ。
同じ基地にいたイギリス軍のマンドレイク大佐(ピーター・セラーズ)は、リッパー将軍の異常に気付き、作戦を中止させようとするが、将軍の部屋に閉じ込められてしまう。
一方、その事態を知ったアメリカ政府は、ペンタゴンに集まり、作戦中止を図るが、その中止の暗号コードはリッパー将軍の手にあった。
もともとドイツの博士で、水爆に詳しいストレンジラブ博士(ピーター・セラーズ)によると、ソ連に核が落とされれば、自動的に最終兵器が発動し、全世界が核の放射能で汚染され、再び元の地球に戻るには100年はかかると言う。
政府はリッパー将軍の基地に軍を派遣するが、激しい戦闘中に、将軍は自殺してしまう。
会議室で論争が繰り広げる中、34機の爆撃機は、確実にソ連に近付いていた……。

見所&解説

核の脅威は今も昔も…

爆撃機が大陸弾道ミサイルに変わっただけで、今も核の脅威に世界は晒されている。
しかもキューブリックは、ブラック・ユーモアを全面に押し出し、地球の運命を握る政府や軍司令部を、とことんバカにして描いている。
それがまた怖い。
こんなバカたちが(過剰演出ではあるけど)我々の運命を握っているかも知れない、そう思わせる演出は、笑うに笑えない。(笑ったけど…)

ストレンジラブ博士のインパクト!

登場時間は少ないが、間違いなくこの映画を象徴するような存在だ。
元ドイツの科学者で、マッドサイエンティストの代名詞のような振る舞いは、過激過ぎて笑えてしまう。(特に後半!)
車椅子に乗り、右手も不自由だが、その右手には、別人格があるように、博士の意思とは別に動き、時には自分の首を絞め、左手がそれを阻止する、そんなコントのような動きを見せる。(一連の動作は、ピーター・セラーズのアドリブらしい!)
ラストの有名なセリフ、「総統! 私は歩けます!」と言って立ち上がる仕草は、1964年当時、まだナチズムは死んでいない、と叫んでいるように見える。
このストレンジラブ博士の異様な動作に、キューブリックは、核戦争の恐怖、愚かさを、代弁させているかのようだ。

爆撃機の中の人々

異常な基地と、異常な会議室をよそ目に、核を搭載した爆撃機の乗組員たちは、半信半疑ながらも命令を実行しようとする。
それが返って恐ろしい。
一度命令が下れば、それを着実に遂行するのが軍人の役目、個人の意思は一切通用しない、そこにヒーローは存在しない、分かっているが、これが現実だ、と思わせる。

ピーター・セラーズの一人三役が圧巻!

真面目な軍人のマンドレイク大佐、真面目だが、少しネジがゆるいアメリカ大統領のマフリー、そして奇行だらけのストレンジラブ博士。
知らない人が初めて見ると、きっとこの3人が同一人物による演技だとは気付かないと思う。(知っていても、そう思わない)
エディ・マーフィーとアーセニオ・ホールが、『星の王子:ニューヨークへ行く』でそれぞれ一人四役を、特殊メイクでこなしていたが、ピーター・セラーズはほとんど特殊メイクをしていない。
ひたすら演技で演じているところが凄い。

キューブリック作品に見られるエロティシズム(個人的な考えです)

『ロリータ』から顕著に見られるようになった、エロティシズムの介入は、『2001年宇宙の旅』のモノリスであったり、『フルメタル・ジャケット』における、肉体そのものの生々しさで象徴したり、『時計じかけのオレンジ』『ワイズ・シャット・アイズ』、或いは『シャイニング』では直接的に描いて見せる。
この作品では、冒頭にそれが描かれている。
爆撃機が空中で燃料を補給する場面がそうだ。
給油機から長い棒が延び、爆撃機の給油口が開いて棒がドッキングするシーンだ。
こんな感じで、キューブリック作品には、それが彼自身の嗜好であるかのように、必ずと言って良いほど表現されている、僕にはそう思えてならない。

この映画の結末、皆さんは笑えますか?
未見の人は一度見てください。

※この作品のジャンルをSFとしましたが、SFであって欲しいと言う、そんな思いです。

ヒッチ先生の談話室〜シネマ血眼ウォッチング

ロッカリア

ロッカリア

先生、ご無沙汰しております。
本日はよろしくお願いします!
ヒッチ先生

ヒッチ先生

なんや、このコーナーもう終わったんとちゃうんか?
しばらく何の連絡もなかったで
ロッカリア

ロッカリア

いや、不定期になる事がありますが、ここ一番、と言う所は、先生に登場してもらいます、はい。
早速ですが、この作品で何か面白いシーンを見つけたとか?
ヒッチ先生

ヒッチ先生

お前、いつも誤魔化すの上手やな…。
ま、ええわ。
見つけたで、おもろいシーン
ロッカリア

ロッカリア

まあ、この映画は、ピーター・セラーズの怪演で、面白いシーがあちらこちらにありますけど?
ヒッチ先生

ヒッチ先生

最後の方で、政府の要人たちに囲まれたストレンジラブ博士が、勝手に動き出した右手を、必死になって左手が抑えようとするシーンあるやろ?
ロッカリア

ロッカリア

ええ、確か「総統! 私は歩けます!」と言う有名なシーンの少し前ですね?
ヒッチ先生

ヒッチ先生

そや。
あの場面で、博士の左に立っているソ連大使がおるんやけど、博士の、あまりにも過激な仕草に、一人だけ、メッチャ笑いをこらえているんや。
ようNGにならんかったなと思うで。
わしなら絶対撮り直しや
ロッカリア

ロッカリア

ええ!?
それには気付きませんでした!
今度そのシーンだけを見直します。
先生、今日はありがとうございました。
また貴重な情報お願いします!

作品インフォメーション

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博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか (字幕版)¥299

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Posted by rockaria