映画『未来警察』 と言いながら既にレトロ感満載!
80年代の映画を好きな人なら、この作品も、きっと気にいるはずです
こんな人にオススメ!
- SF映画が好き
- 俳優としてのジーン・シモンズの演技が気になる
- SF作家マイケル・クライトンのファン
どんな映画?
ベストセラー作家、マイケル・クライトンが、1984年に監督したSFアクションで、近未来を舞台に警察の活躍を描いた作品。
当時は、困ったことに、1982年に作られた傑作『ブレードランナー』を知った上で見た本作は、かなりチープで、時代遅れのように見えてしまった。
だが、今見直してみると、意外とそこが面白かったりもする。
注目はなんと言っても、ロック・グループ「KISS」のベーシスト、ジーン・シモンズが派手な化粧を落とし、悪役を堂々と演じている姿だ。
これは、作品の評価云々と言うより、公開当時かなり話題になった。
▶︎▶︎▶︎ 新しく警察のロボット課に配属された女性警官トンプソン(シンシア・ローズ)は、ラムジー警部補(トム・セレック)と早速暴走する農場の虫取りロボットの処理に出かける。
帰ってくると、今度は家事ロボットが暴走、人まで殺していると言う緊迫した事件が待っていた。
赤ちゃんが家の中にいて、ロボットが侵入者を銃で攻撃すると言う状況下、ラムジーは命がけで侵入し、ロボットを停止させる。
そのロボットを分析してみると、何者かにICチップが差し替えられてる事が分かった。
捜査線上に、武器商人のルーサー(ジーン・シモンズ)が浮かび上がり、事件は深刻度を増していった……。
見所&解説
クモ型ロボットを除くと、ほとんどが四角ばったロボットで、先にも言った『ブレードランナー』のレプリカントの発想と比べると、随分工夫が足りないように思える。
マイケル・クライトンは、一体いつの未来を想定していたんだろう?(この頃は、ダグラス・トランブルの『サイレント・ランニング』でも箱型ロボットだった…)
先見の目を持つ作家
僕が好きな『ウエストワールド』の人型ロボットの方が良かった、正直そう思ったが、ひょっとして、マイケルはワザとチープなデザインにしたのかも知れない。
と言うのも、クモ型のロボットは良く出来ていて、後の『マイノリティ・リポート』のクモ型ロボット(?)を連想させるし、フローターと言う宙に浮くロボットは、カメラも付いていて、まるで現代のドローンそのもの。
しかも、ジーン・シモンズがぶっ放す連射型の銃は、何と人の体温の違いを感知して、標的を確実に追尾する超小型ミサイルと言うハイテク仕様になっている。(『ウォンテッド』の曲がる銃弾よりも論理的だ)
おまけに、『ダーティハリー5』で、ハリーの乗った車を執拗に追いかけて来る、爆弾を乗せたラジコン・カーの元ネタになる様なシーンまである。
意外と、本作の影響があるのかも知れないのだ。
女警官トンプソンを演じたシンシア・ローズ
彼女をどこかで見かけた女優さん、そう気付いた人は映画通です。
シンシアは映画でも印象に残る役を演じている。
『フラッシュダンス』や『ステンアライブ』、『ダーティ・ダンシング』『ザナドゥ』と言ったロック・ミュージカル映画に出演し、さらにミュージック・ビデオ全盛の時、TOTOのヒット曲「ロザーナ」の出演した、あの女性を演じていたのですよ。(余談でした)
レトロSFが好きな人へ
いかにも80年代的な作品で、レトロな感じがするには少し早い様な気もしますが、実際に見ると、やっぱりレトロな感じがする。
映画史において、CGの歴史を変えた『ジュラシック・パーク』
これも彼の原作だが、コンピューターがまだ発展途上にあった1973年の『ウエストワールド』の頃から、積極的に意図的に、コンピューターを取り入れた作品が多い。
それを今見ると、コンピューターを含めて、レトロな気分に浸れる事、間違いありません。
ただし、だからと言って手放しで面白い作品……、と言うことではありません。
ヒッチ先生の【談話室】
ん〜、未来を見ている、と言うことじゃないですか?
そんな予言的な事を映画に求めてもしゃあないで。
そら、たまに映画の中の出来事、この作品ならドローンの出現を当てた、とも言える映画も作られるが、それはたまたまや。
でもな、過去に作られた多くの名作SF映画って、例えば『禁断の惑星』『宇宙戦争』『スター・ウォーズ』
『未知との遭遇』『地球の静止する日』『ジュラシック・パーク』などなど、今見ても古く感じへん、と思わんか?
つまりレトロ感があっても、古臭く感じへんのが「面白いSF映画」って言えるんちゃうか?
古臭く感じないのが、面白いSF映画と言う事ですか。
先生、今日も勉強になりました
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