映画『ゼイリブ』 ジョン・カーペンター監督の場外ホームラン!?

2020年6月13日

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特殊なサングラスをかけると、街には人間に化けた異星人がウヨウヨしていた!

   こんな人にオススメ!

  • 宇宙人侵略ものが好き
  • カーペンター監督作品は見逃せない
  • 気楽にアクションを楽しみたい

どんな映画?

『ハロウィン』『ニューヨーク1997』『遊星からの物体X』等で観客を虜にしたカーペンター監督、1988年のアメリカ映画。
いつの間にか、人類に紛れ込んで、地球を侵略しようとする異星人に、戦いを挑む人間の姿を描いている。

▶︎▶︎▶︎ 肉体労働の仕事をやっと見つけたナダ(ロディ・パイパー)は、仕事仲間のフランク(キース・デイビッド)が暮らしている低所得者キャンプに住むことになる。すると、「この地球は彼らに洗脳され、やがて乗っ取られる」と言うテレビの電波ジャックニュースを見る。
キャンプ場の横にある教会が、突然警察に襲われ、平穏に暮らしていたキャンプの住人達にも被害が出てしまう。
何かが起こっていると察したナダは、警察がさった後の教会に入ると、箱一杯に入っているサングラスを発見する。それを持ち出して、何気にかけてみると景色が一変、街には人間の姿を装った異星人であふれているのだった……。

 

見所&解説

見所はズバリ、プロレスラー、ロディ・パイパーの体を使ったアクション! だが……。

この作品は、監督のカーペンターの打ったボールが飛び過ぎて、場外のどこへ行ったか分からない、そんな着地点の見えないものになってしまった。

  • まず、風刺劇というにはインパクトがない。
  • 侵略ものとして緊張感がない。
  • SFとしては、ギミックを含めてリアリティーがない。

唯一の救いが、本職のプロレスを生かしたロディの肉弾戦と言いたいが、フランクとのケンカ以外は銃を使ったアクションが多めになっている。
しかも、その喧嘩のシーンも、プロレスのように中々お互いが負けない。言い換えれば、プロレス(ロディの)ファンのためのサービスカットのようだ。
それ以外となると、80年代テイストの悪い方向にベクトルが向いてしまっている。(つまり大雑把という事だ)
前半はまだ良い、後半に進むにつれて、「なんじゃこれ?」感が溢れ出してくる。
ヒロイン(?)役のホリーは、顔がすでに異星人のようで怖く、共感が得られない。これは明らかにキャスティングミスだろう。

『ボディ・スナッチャー:恐怖の街』(1956)、そのリメイク『SF/ボディ・スナッチャー』(1978)と言う映画がある。
知らない内に、異星人が地球に紛れ込んでいた、と言う設定は一緒だが、こちらの2作品の方がよりSF的で、より緊張感があって面白い。
その要因が、身近な人が知らない間に異星人と入れ替わっていて、一体誰を信用したら良いのか、と言うスパイスがあったからだ。

ところが、我がカーペンターは、人間と異星人を簡単に区別できるサングラス(後半はコンタクトレンズ)と言うアイテムを考え出した。一見面白いアイテムだが、この区別を簡単にできる事が、緊張感を無くした要因になってしまった。
これは、人間と異星人を区別できないと、銃でのアクション場面が、無差別殺人のようになってしまうからだ。

結論。
アクションを楽しむ作品であって、SF的な物語やサスペンス、侵略の恐怖を期待して見ると、ガッカリしてしまう、そんな作品なのだ。
そしてもう一つ、着地点(エンディング)も歯切れが悪い、と言うことも付け加えておきたい。

○○○+○ エキストラボール

● 主演のロディ・パイパーは、当時人気のレスラーだったが、俳優として映画にも多く出演している。ところが、この作品以外、全く話題にはならなかった。逆説的に言うと、いかにカーペンター監督が凄かったのかを示している、と言うことではないだろうか。
2015年、61歳で生涯を閉じている……。
● 逆に、ロディを助ける友人役を演じたキース・デイビットと言う黒人俳優さん、色んな映画でよく見かけます。
『遊星からの物体X』『プラトーン』『バード』『リアリティ・バイツ』『クイック&デッド』『ボルケーノ』『アルマゲドン』『メリーに首ったけ』『ピッチブラック』『リディック』『トランスポーター2』『クラウド・アトラス』
これらの作品を思い出して、ひょっとしてあの黒人俳優? と顔が浮かんだ人はかなりの映画通だ。



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SF

Posted by rockaria