映画『マンハッタン殺人ミステリー』素人探偵ものは面白い!

2020年7月5日

ロッカリア
どーも、ロッカリアです。
ウディ・アレン監督作の中でも、異色のミステリーを紹介します

微妙な男女関係とミステリーを融合させたら傑作が誕生!?

   こんな人にオススメ!

  • ウディ・アレン監督作品が好き
  • 少し変わったミステリーが見たい
  • 素人探偵物が好き
  • ユーモアとブラックジョークを堪能したい

どんな映画?

ウディ・アレンが当時、出演を考えていた、同棲相手のミア・ファーローに変えて、元カノのダイアン・キートンをパートナーに迎えて作った1993年の作品。
ドタバタ・コメディをベースにしながらも、殺人事件を疑った妻を中心に、それを取り巻く微妙な男女関係を見事に描いた作品。
ミステリーの性格上、詳しくは言えないが、物語の発端はこうだ。

▶︎▶︎▶︎ 出版社に勤めるラリー(ウディ・アレン)と妻のキャロル(ダイアン・キートン)は、マンションの向かいに住む、ハウス老夫婦と親しくなった。
だが、次の日、二人が帰宅してみると、元気だった奥さんが心臓麻痺で死んだと、大騒ぎになっている。
心臓に持病があったと言う夫ポールの話に、疑問を持ったキャロルは、外ですれ違っても、悲しむ様子がない夫を不審に思う。約束していたケーキを持って、ラリーと一緒に訪ねた向かいの部屋で、キャロルはキッチン下の扉の中で、遺灰を発見してしまう。
キャロルはますます、殺人の疑いを強く持ち始めるが……。

(⭐️ はオススメ度を表しています)

見所&解説

ウディ・アレン印の作品に慣れている人なら、きっとこの作品の面白さは、分かってもらえるはず。
もちろん、真剣にミステリーとして見るなら、「?」と思うシーンも幾つか目に付きますが、ここで一番大切なのは、ウディ・アレンのミステリー作品、と言うことです。
恐怖の中に、笑いを取り入れる事で、より恐怖を引き立てる。
それは、『タロットカード殺人事件』『教授のおかしな妄想殺人』よりも、本作がダントツに優れています。
その魅力を、ネタバレなしで深掘りしていきたいと思います。
ウディ・アレンは苦手、と言う人もお付き合い下さいね。

ウディ・アレンは苦手だ! まずはここから…

と言う人は、彼がスクリーンの中で繰り広げる、あの言動にイライラさせられる、と言うのが主な原因じゃないでしょうか。
見た目だって、主役を演じるにはイケメンでないし、優柔不断の性格は、自ら発する毒舌のオーラに包まれ、見る者を不快感にさせる……。
まるで、セラピーを何年も受けていない患者のように見えることでしょう。(『ボギー!俺も男だ』の中でも本人が、ギャグとして言及していました)
僕も、初めて彼を見た時は、そんな感じで見ていました。
でも、よく考えると、自分が監督する作品の中で、自身をそんなダメ男に演出するって、一体どう言う神経しているんだろうと、逆に興味が湧いてきたんです。

映画オタクな監督?

興味を持ち、色んな彼の作品を何回も見ると、まず、映画オタクだな、と言うことに気が付きました。
彼が監督した、ほとんどの作品に、映画の話題が出てきます。(しかも尋常じゃないぐらいに、マニアックな視点で語られます)
なんか、それだけで親しみが湧いてきちゃったんですよね。
映画好きで映画通、映画を語る時に妥協しない。
彼が監督である、と言う以前に、映画ファンである、と言う部分に惹かれてしまいました。
だから、この映画も、そんなマニアの視点で見ると、もうラストなんか最高! となってしまうんですよね。

それではネタバレなしで、見所を紹介!

この作品で注目して欲しいのは、ウディのアドリブです。
え? 監督(兼主役)がアドリブ? そう思われるかも知れませんが、よく見ていると、それに気付く人もいると思います。
妻役のダイアン・キートンは、ウディとの会話の途中で、思わず笑ってしまうシーンが何度かあります。
これは、台本にある笑いじゃなくて、ウディのセリフを聞くダイアンの、彼のアドリブによる失笑、に間違いありません。
面白いのが、これに対して、絶対笑わないと言う頑固な姿勢で挑んでいるのが、他の共演者たち。
ダイアンが笑っているのに、あえて無視しているのが、その態度から分かります。(レストランではボーイが耐えきれず笑っていました。しかも顔を逸らして)
この、珍しいアドリブの数々を、意識していたら絶対わかります。
出演者が、こんなに楽しそうにしている映画が、つまらない訳がないと、思いませんか?

映画へのオマージュ

映画の中に映画を入れるのが好きなウディ、例えば『ボギー!俺も男だ』なんて、もろ『カサブランカ』を下敷きにしていました。
この映画の中でも、「ボブ・ホープの映画見たい」、「それは『深夜の告白』だよ」、と言うセリフで映画を登場させますが、本作のクライマックスには、映画ファン、特にオールドファンの人ならきっと唸ってしまうシーンがあります。
それは、オーソン・ウェルズとリタ・ヘイワースが出演した、1944年の『上海から来た女』、この映画の名シーンを、何と、大胆にもクライマックスで上映させ、そのシーンと、現実をシンクロさせているんです。
ここは間違い無く、この映画一番の見所です!

いつもとは違うイライラが…

今回の作品で、いつもと違う点が一つあります。
ウディ・アレンのイライラは、見る人にとれば、ああ、いつもと一緒だな、と感じると思いますが、今回は、そのウディの上を行くのが、妻役のダイアンの存在です。
そんな事はどうでもいいだろう、そんなのは妄想だ、と制御しようとするウディを無視して、勝手に物事を進めるは、離婚した男友達を呼び出して探偵ごっこに走るは、やりたい放題。
この言動には、見ている人の中にも、ラリーのように、イライラする人がいるかも知れません。
そうした態度が、結果として、ラリーとキャロルの間に溝を作ってしまいます。

ですが、、この映画のラストカットに、観客は注目しなければなりません。
散々ダメ夫をぶりをネタにされたラリーですが、名誉を挽回し、プライドと信頼を取り戻した彼は、こんな行動に出ます。
マンションの入り口で止まると、振り返り、ざまあみやがれ! と言わんばかりのドヤ顔を見せて、映画は幕を下ろします。

これ、普通に見れば、妻にちょっかいをかけていた男に、俺の方が凄いんだ! と言う意味のドヤ顔だと思いますが、この頃、プライベートで揉めて、ミア・ファーローにボロクソに言われ続けていたウディ・アレン。
それに対して、最大限の仕返し、強がりのように見えるのは、僕の妄想でしょうか……。

ヒッチ先生の【談話室】

ロッカリア

ロッカリア

先生、今日は僕のアバターとして使っている、ウディ・アレンの映画です。
ヒッチ先生

ヒッチ先生

この監督も、ホントに映画好きなんやなぁ。
『深夜の告白』言うたら、『白いドレスの女』で大胆にリメイクされとったな
ロッカリア

ロッカリア

そうでした。
あの作品も、映画オタクのローレンス・カスダンが監督したんですよね?
あと、キャサリン・ターナーの魅力も凄かったですよね
ヒッチ先生

ヒッチ先生

それより、『上海から来た女』のリタ・ヘイワース、彼女の方がもっと魅力的やったで。
リタ・ヘイワースと言えば、『ショーシャンクの空に』にも出てたやろ?
ロッカリア

ロッカリア

先生、それはちょっと、時代が違い過ぎるんじゃないですか?
ヒッチ先生

ヒッチ先生

アホ、誰が本人が出てる言うた?
ポスターじゃポスター
ロッカリア

ロッカリア

そうか! そう言えば、キングの原作、「刑務所のリタ・ヘイワース」の映画化でしたね。
ポスターが、脱走に一役買っていると言う…
ヒッチ先生

ヒッチ先生

お前、自分のアバターはウディ・アレンや言うたな。
ほんなら、彼みたいに、映画はもちろん、本や音楽に、もっと精通して、知的にならんと恥かくで
ロッカリア

ロッカリア

あ、はい…。
今日もありがとうござ……い…まし……た

 

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