映画『ナイル殺人事件』(2022)容疑者全員を乗せ、危険なミステリー・クルーズが始まる!

どーも、ロッカリアです。
3回目のワクチン接種は、かなり副作用がありました…。
さて、本日ご紹介する映画は、アガサ・クリスティ原作で、1978年に、一度映画された作品になります。

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「愛の数だけ、秘密がある」キャッチコピー

・ミステリー映画は好物
・新しいポアロを見てみたい
・前作との違いを見比べたい

どんな映画?

アガサ・クリスティの原作を、1978年の『ナイル殺人事件』に続き、新しい解釈で作った作品。
2017年の『オリエント急行殺人事件』で監督と主演のポアロを演じたケネス・ブラナーが続投した、2022年の最新作。
前作『オリエント急行殺人事件』のような豪華キャストではないが、ワンダーウーマンこと、ガル・ガドットが、大富豪を演じているのに注目だ。
ミステリー作品、特に謎解きの要素が強い作品において、トリックや犯人、結末を知っていても楽しめるのか? と言う問題があると思いますが、その答えは最後に。

▶︎▶︎▶︎ ハネムーンでエジプトを訪れた大富豪のリネット(ガル・ガドット)。
彼女は、身の危険を感じていて、別の依頼でエジプトに来ていた名探偵ポアロに、守ってほしいと依頼するが……。
(ミステリーなので、詳しいストーリーは割愛します)

見所&解説

映画を知り尽くした男、ケネス・ブラナーが作った「アガサ」ミステリーの2作目。

ポアロの髭にまつわるエピソード

第一次世界大戦に参戦していたポアロは、戦場でも灰色の頭脳を生かし、指揮官から信頼を得ていた。
しかし、そんなポアロでも、やはり戦争の前では無力だった……。

この冒頭のエピソード、何でここから始まるんだ? そう思っていたら、「ああ、そう言うことか」と、意外なポアロの姿を見ることが出来る。
しかも、恋愛事情まで知る事になります。

ミステリーは、謎の見せ方で決まる

映画を静と動に分けるとしたら、、ミステリー(特に謎解き)作品は静だと思います。
そこにはすでに死体があり、その「死に方」或いは「殺され方」から物語が始まります。

しかし、この作品は、最初の死までに、色んなエピソードがあり、第一の殺人が起きてからも、クルーズ船に乗り合わせた全員に、彼女を殺す動機が明らかになったり、トリックを行うための伏線がすでに提示されていたり、遺跡で岩が落ちて来たりと、物語を盛り上げる工夫が随所に見られます。

面白いのは金田一シリーズとの見せ方の違い

クルーズ船に乗り合わせた全員が容疑者で、この時の態度が、僕の大好きな金田一(東宝作品)シリーズと真逆だったので、とても面白いなと感じました。

ポアロ編では、容疑者は全員、殺意を否定する、と言うよりは、殺意を強調するような描き方でしたが、金田一編では、全員が「私は決して殺したりしません」と殺意を否定するんです。
同じ容疑者たちを、真逆で表現しているのがよても興味深いですね。

ポアロの恋愛観と新たな恋…

非常に珍しいのが、名探偵ポアロの恋愛事情が描かれている所でした。
ポアロのイメージとして、多くのファンが持っているのは、TVシリーズでポアロを演じた俳優、デビッド・スーシェじゃないでしょうか。
小太りで、髪の毛がない俳優さんで、原作のイメージに一番近い感じがします。(原作を読んだ人にもよりますが)
しかし、ここでポアロを演じるのは、ケネス・ブラナー(なんと僕と同じ歳!)で、ダンディな感じでポアロを演じています。
だからこそ、あえて強烈でインパクトのある若い頃の恋愛と、歳を重ねて来たこの作品での、淡い恋愛事情をインサートしたのかも知れません。(特にラストは、泣けてきます…)

気なるのがCG背景

昨今の映画制作において、コンピューター・グラフィックの導入は、切っても切れない事情があります。
特に、コロナ禍の影響でロケが出来なかったりする事情があります。
僕が気になったのは、背景が綺麗すぎる事なんです。
古代エジプトの雰囲気にあった夕陽なども、あまりにも美し過ぎるんです。
そこの作り込み過ぎが、人工的に見えて、ちょっとマイナスな気がします。

その反面、クルーズ船「カルナック」号は、セットで実物大を作り、そこを舞台としているので、迫力も説得力もありました。
その分、余計に背景が残念です。

さて、ミステリー映画の、結末を知っていても、充分楽しめるのか?

その答えはイエスです。
特に、全体的に評価するにあたって、細かい各エピソードを散りばめた事で、物語に重厚感が出ているように感じました。

あくまで個人の感想です

次回作は? ある? ない?

僕はあると思います。
ここからは完全な独断ですが、ケネス・ブラナーが、何故『オリエント急行殺人事件』と『ナイル殺人事件』をリメイクしたのか?
彼は、この2作品でオリジナルを超えて見せ、新たなクリスティ原作のミステリー作品を、観客に提示しようと考えたんじゃないかと思うからです。
『そして誰もいなくなった』『クリスタル殺人事件』『中海殺人事件』『情婦』、最近では『ねじれた家』など多数の原作が映画化されていますが、有名な『アクロイド殺し』(この映画化は特に難しそう)ドラマ化はされた『ABC殺人事件』『予告殺人』など、まだ決定打を出していない作品の映画化を、希望的観測で見てみたい、と言う個人的思いです。

作品インフォメーション

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ミステリー

Posted by rockaria