映画『ザ・フォッグ』この怨み、晴らさずにおくものか!
霧が街を包む時、不気味な影が惨劇をもたらす!
こんな人にオススメ!
- 低予算だが、面白いホラーが見たい
- グチョングチョンのホラーは苦手
- ジョン・カーペンター監督の作品が好き
- 『ミスト』の霧に、ワクワクした人
どんな映画?
ジョン・カーペンターが、監督・脚本・音楽を務めた1980年の都市伝説風ホラー作品。
『ハロウィン』と『ニューヨーク1997』の中間に位置する。
▶︎▶︎▶︎ 生誕100年祭に沸く小さな港町、アントニオ・ベイ。
夜の12時になると霧が発生して、街のあちらこちらで不思議な現象が起こる。が、その現象は1時になるとすぐに収まる。
実はこれらの現象は、100年前に町で起こった惨劇が大きく関係していた。
やがて、その真相が明らかになると、町は再び霧に包まれ、その中に恐ろしい人影が現れ、人々が殺されて行く……。
”きゃああああああっ!”
見所&解説
見所はズバリ、不気味な演出が満点の霧の世界で起こる惨劇!
「この街では、過去にこんな事があって……」と始まるのは、今ではスタンダードな都市伝説型ホラー。
この作品は、その元祖的なホラーと言ってもいいんじゃないでしょうか。
この映画には特徴があって、物語の進行を、二人のヒロインの目を通して描かれている事。
一人はエリザベス。
久しぶりに都会から帰郷して惨劇に遭遇する女性で、演じるのは『ハロウィン』でデビューしたジェイミー・リー・カーチス。
彼女の父親は数々のハリウッド作品に出演したトニー・カーチス。
日本でもTV洋画劇場全盛期の70年代に、広川太一郎氏が日本語吹き替えをして、とっても人気がありましたね。
もう一人のヒロインは、シングルマザーで、灯台のFM局でDJをしているスティービー。
演じているのは、ホラーからコメディまで幅広く演じられるエイドリアン・バーボー。
ジェイミーは、『ハロウィン』で絶叫クィーンと言われたが、実はこの作品にはジャネットのお母さんも出演し、一瞬だが母娘共演をしている。
母の名はジャネット・リー。ヒッチコックの『サイコ』で、シャワー・ルームで襲われた女優さんで、当時こちらも絶叫クィーンと称された。(余談だが、母娘の中はあまり良くなかったと、ジェイミーが後年のインタビューで語っていた)
さて、カーペンター作品なら、『遊星からの物体X』『ハロウィン』『ニューヨーク1997』が突出して面白い。
これらの作品を見慣れている人にとって、今作はちょっとまどろっこしい感じがするかも知れない。
だが、僕個人にはハマるツボがあって、灯台でラジオDJするスティービーは、オンエアで町に起こっている不思議な現象を実況中継する視点と、エリザベスが霧の中にいる不気味な人間と遭遇し、隠された秘密を探り当てていく視点が、この映画の斬新なところだ。
「この映画、そんなに面白かったっけ?」と疑問に持つ人もいるでしょう、でもそれでいいんです。
映画は、見た人の主観が大きく関わってくるものです。
「面白い!」「いやつまらん!」と語り合う事が出来るのが、映画ファンの特権ですから。
そして、カーペンター作品は、見て楽しんだ者勝ち! と僕に教えてくれるのです。
○○○+○ エキストラボール
●2005年にリメイクされましたが、VFXの技術は格段にアップしていましたが、オリジナルの持つムードには遠く及びませんでした。見るならオリジナル版を見ましょう。
●ジェイミー・リー・カーチスはトニー・カーチスとジェネット・リーの娘と言いましたが、どちらにも似ていないと、昔から思っていました。
彼女に一番似ているのは、ローリング・ストーンズのミック・ジャガーだと思っているのは、僕だけでしょうか……。
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