映画『大いなる眠り』ハードボイルドとは何か? を考えさせるミステリー

2024年3月28日

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【大いなる眠り】とは死を意味している

ハードボイルドと言う言葉はよく聞くけど、その正体は何でしょう?
どーも、ロッカリアです。
今回は、そんなところに注目して、この作品を紹介して行きます。

・ミステリー映画&小説が好き
・探偵はやっぱりハードボイルドと言う人
・70年代の映画が好き(オールド映画が好き)

どんな映画?

レイモンド・チャンドラーが1939年に発表した小説を元に、『三つ数えろ』(1946)に次いで二度目の映画化。
『さらば愛しき女よ』で、探偵マーロウを演じたロバート・ミッチャムのキャラクターが好評を得たので、今回も続投となった。
監督は『狼よさらば』『スコルピオ』『死海殺人事件』のマイケル・ウィナー。
主演のR.ミッチャム以外にも、共演者には豪華な顔ぶれが揃っている。(サラ・マイルズ、オリバー?リード、エドワード・フォックス、ジェームズ・スチュアート、キャンディ・クラーク等々)

▶︎▶︎▶︎ スターンウッド将軍の大豪邸に出向いたマーロウは、将軍から次女のカミラに関する脅迫事件の調査を依頼される。
1ヶ月前に、失踪した長女シャーロットの夫、リーガンが、何か鍵を握っていると考えたが、まず脅迫した人物を特定し、訳ありの本屋にたどり着いた。
その人物を自宅まで追って行ったマーロウは、そこで銃声を聞き、部屋へ飛び込んでみると、そこには銃で撃たれ、血まみれで倒れている本屋の店主が。
そしてその横には、裸で銃を持っている将軍の娘、カミラが立っていた……。

見所&解説

ミステリーなので、物語に関しては、あまり触れないように話を進めて行きます。
とは言え、この作品、映画的な流れが整理されていない印象がします。

その原因は、ラストの意外性を保つために、話を逸らす、いわゆるミスリード(謎を隠すために、真相とは別の方向に導く)がヘタクソなんだと思います。
謎を解決するのがミステリーの醍醐味ですが、その謎自体が何なのか、うまく観客に伝わって来ないのです。
だから、物語として、ゴチャゴチャとした印象がつきまといます。
これはネタバレにならないと思うので、これから見る人が、この映画の物語を見失わないようにアドバイスを。
それは、「何故、シャーロットの夫、リーガンは失踪したのか?」と言う事を念頭に置いて、この作品を見て下さい。

ハードボイルとは何か?

『さらば愛しき女よ』で、マーロウはタバコを吹かし、トレンチコートにハットをかぶり、見た目から、いかにも私立探偵と言うムードを醸し出していました。
物語の舞台はLAでした。

しかし今回の舞台はロンドン。(映画会社が倒産した事に原因があるようです)
その関係なのか、ピシッとしたスーツにネクタイもちゃんと締め、劇中でマーロウ自身が言っているように、弁護士のように見えます。(眼鏡をかけた時)
ところが、そんな英国紳士風の出立ちでも、やっぱりハードボイルドな探偵に仕上がっているのです。
そこで、ファッションでは無い何が、マーロウをハードボイルドにしているのかを考えてみました。
答えは簡単です。
小説を考えればすぐに分かりますよね。
そう、それはセリフにあるんです。
小説は、自身の言葉で考え方を伝えたり、状況を説明したりしますが、映画でも、マーロウは対話の時のセリフや、ナレーションを通して、ハードボイルドを演じていると思います。
ドキッとする表現でも、遠慮なく相手に浴びせたり、時には毒の効いたユーモアを効かせ、ある時はその時の状況を、自虐を混ぜながら吐いたり……。

ナレーションで作品を説明する映画は、あんまり良い作品では無い、と言うのは通例ですが、僕は、ハードボイルド・ミステリーに関しては、それは一つのスタイルで、「有り」だと思います。
この作品を見るときは、ぜひマーロの言葉に注目して見て下さい。
きっと、心に残る毒舌に巡り合うかも知れませんから。

舞台がロンドンと言う事で、面白いシーンがありました。
それは、ロンドン市街の全景が映し出されるシーンに、あれが映っていたんです、アレが。
ピンク・フロイドの名盤、「アニマルズ」のジャケットで、ブタさんが飛んでいる工場、バタシー工場!
ビートルズの映画『ヘルプ!:4人はアイドル』の中にも登場した有名な工場です。
この映画を見る時は、そこにも注目して見て下さい。

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ミステリー

Posted by rockaria