映画『交渉人:真下正義』ゲーム感覚のサイバーテロ・クリスマス!
本日も、『アマルフィ:女神の報酬』に続いて、こんなクリスマスを迎えてしまったら…、と言う作品を紹介します
映画『交渉人:真下正義』予告編
こんなクリスマスは嫌だ! 〈PART-2〉
こんな人にオススメ!
- 列車映画が好き
- 映画マニアに向けられた「謎」を解いてみたい
- 手に汗握るサスペンス・アクションが見たい
どんな映画?
『踊る大捜査線』のスピンオフとして2005年に、フジ TVと東宝が協力して制作された。
とても良くできたサスペンス・アクションで、鉄道ファンも納得の地下鉄を舞台にした映画だが、実はこの映画は、そのままで見るのも楽しいが、どこか、監督から映画ファンに向けて突き付けられた挑戦状として見る事も出来るんです。
どういう事かは、後でしっかり深掘りして行きたいと思います。
▶︎︎▶︎▶︎ 真下正義(ユースケ・サンタマリア)のインタビュー・ニュースをテレビで見た犯人は、一年後のクリスマス・イブに、新しく開発されたハイテク地下鉄車両、クモ(E4-600)のシステムにハッキングし、地下鉄路線で暴走させ始める。
しかも、弾丸ライナーと名乗る犯人は、真下を交渉人相手に指名し、暴走するクモを止めてみろと挑発する。
犯人は、イタズラでない事を証明するために、都内で二度の爆発を実行してみせる。
三度目の爆発があると考えた警察だったが、場所と犯人の特定が出来ないまま、全ては交渉人の真下に委ねるしかなかった……。
クリスマス映画
見所&解説
未見の人は、ただ再生ボタンを押すだけでいい
ラストまで一気に観られるほど面白い。
そして、もしあなたが、この映画をまだ見ていないとしたら、暴走する地下鉄はどうなるのか?
車両に爆弾は積まれているのか?
犯人の最終目的は何か?
映画の中身をどっぷりと楽しんだ後で、もう一度この記事を読みに来て下さい。
と言うのも、今から記す内容は、作品への興味を削ぐ恐れが多々あるからです。(要するにネタバレって事です)
映画マニアに向けられた挑戦状!
さてここからはネタバレで、映画にうるさいファンに向けて、解説して行きたいと思います。
もう一つの楽しみ方がある作品
この作品は、弾丸ライナーと名乗る犯人が、途中から真下に向かって映画の話をするシーンがありますよね。
実は、このやり取り以外に、他にも映画に関するネタがあるんです。
まずは簡単に、犯人のヒントから。
『ジャガーノート』は作品の中でも言及されているように、客船に仕掛けられた爆弾を、リチャード・ハリスが演じる処理班のファーロン中佐が、ラストで、赤と青のリード線のどちらを切るのか? と盛り上がるサスペンス・アクション映画でした。
後にレクター博士を演じるアンソニー・ホプキンスが出ているのは、この作品の指摘通りです。
『オデッサ・ファイル』は、ナチス残党の秘密のファイルの存在を、アンジェリーナ・ジョリーのお父さん、ジョン・ボイトが追求して行くサスペンス映画でした。
『ミッドナイト・プラス1』と言う映画は、見た事ありませんが、映画というよりは、ギャビン・ライアルの原作小説、「深夜プラス1」の方に意味がありましたね。
硬派の小説で、高校生の時に読んで、登場する男たちの、あまりの格好良さに、痺れた事を覚えています。(オススメです)
『愛と哀しみのボレロ』は、フランス音楽界の巨匠二人の共演として、フランシス・レイとミッシェル・ルグランの名前が出ていましたが、これは単純にボレロ、に意味があっただけでした。
さて……。
ここからが本番
この映画のオープニングで、実は映画マニアに向けられている事を、明確に表したシーンがありました。
それは、クリスマス・プレゼントをおもちゃ屋さんで買っている親子の服装。
そう、この親子、トレッキー(『スター・トレック』の熱烈なファン)で、乗組員のコスプレをしていました。
これが分からないようでは、映画初心者だぞ〜というような、挑発的な始まり方だと、思いませんか。(←あんただけやろ…)
この作品、『交渉人:真下正義』は、知っている人も多いでしょうが、元ネタの映画があります。
このブログでも紹介している『サブウェイ・パニック』です。
地下鉄ハイジャックに始まり、止まらない地下鉄の暴走、ラストまで、まんまこの映画でしたよね。
犯人が乗るバンのルームミラーに、クモ(E4-600)のミニチュアがぶら下げられていました。
そう、これは『ボーン・コレクター』のタクシーで移動する犯人のマネ、そのものですね。
ボレロのコンサートで、警官たちが、一斉にシンバル奏者の邪魔をするのは、ご存知ヒッチコック先生の『間違えられた男』のパロディ・シーン。
知っている人は、腹を抱えて笑いませんでしたか?
犯人が乗ってるバンを見つけた真下は、その車を走って追いかけるが、近付くと加速して離れる。
これを何度か繰り返しますが、これもどっかで見たぞ、と言う人、いませんでしたか?
僕はこのシーを見て、ああ、スピルバーグの『激突!』じゃんか、と思いました。
そう言うと、ピント来る人もいるんじゃないでしょうか。
警察は総力を上げて、犯人を割り出しました。
だが、そうして突き止めた犯人も、映画が終わる頃に、その人物は死んでいる事が分かる。
じゃあ、一体犯人は誰だったのか? と言う謎を残して映画は終わりますが、これはもう『ジャッカルの日』そのままですよね。
この映画を見たのが、公開された当時と、DVDが発売された時、そして今回と三度目なので、まだ他にも見逃している事があるかも知れません。
僕自身、映画マニアだ〜、と自負していますが、同じ作品を見返す度に、新しい発見があるので、実は、あんまり大きな声で言う資格は無いかも知れません。
それほど、映画って楽しくて、奥が深いものですよね。
もし他にこんなシーンもあったぞ、と言う人は、お気軽にコメントに書いて行って下さいな。
今回の「もう一つの見方」楽しんで貰えたでしょうか。
皆さんの、映画に対する興味を少しでも刺激できたら光栄です。
また、遊びに来てください。
ヒッチ先生の【談話室】
ホント、感心すると共に、どうしてそんなに愛されているんだろう? といつも思います
馬鹿にしてるんか?
単純に、その秘密は、何だろう?って思っただけです
観客第一主義の、エンターテイメントを作って来たからや。
自分の主義主張を、観客にアピールしてもしゃーないやろ?
どんだけ観客を喜ばせて、驚かせるか、それが楽しみなんや
だから、いつの時代も面白いんですね!
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