映画『007 ゴールドフィンガー』ショーン・コネリーを偲んで…
先日、名優ショーン・コネリーが90歳で亡くなられました。
数多くの作品に出演し、忘れがたい演技を僕たちに見せてくれました。
個人的にも、大好きな俳優さん。
ここに哀悼の意を表明します
『007 ゴールドフィンガー』予告編(字幕なし)
シリーズ化を決定的にしたテキスト的作品!
こんな人にオススメ!
- 007シリーズのファン
- ショーン・コネリーのファン
- このシリーズの原型を知りたい人
- スパイ映画が好き
どんな映画?
低予算で作られた第1作『007 ドクター・ノー』が大ヒット。
さらに完成度をアップさせ、スパイ映画を世界に認識させた続編の『007 ロシアより愛をこめて』
それに続く第3弾がこの『ゴールドフィンガー』だ。
アクションを得意とするガイ・ハミルトンが、1964年に演出した作品で、以降『ダイヤモンドは永遠に』『死ぬのは奴らだ』『黄金銃を持つ男』も監督をしている。
▶︎▶︎▶︎ 金塊を密輸して巨万の富を手に入れた、大富豪のオーリック・ゴールドフィンガー。
その密輸の手口を調査する任務を受けたボンドは、彼を追って英国からスイス、そしてアメリカへと追跡するが、あと一歩のところでオッド・ジョブと言う部下にやられてしまう。
挙げ句の果てに、ゴールドフィンガーの組織に捕らえられてしまうが、そこで、ゴールドフィンガーが考えたグランド・スラム計画の情報を知る事になる。だがそれは、核爆弾を使用すると言う、とんでもない計画の実行だった……。
見所&解説
パターンを作り出した作品
ジェームズ・ボンドが歩いて登場、銃を構えて撃つと、スコープ血に染まり、ゆっくりと倒れていく。
そして、オープニングを飾るちょっとしたシークエンスがあって、タイトルバックに歌が流れる。
この一連の、ワクワクするパターンを初めて打ち出したのが本作で、以後、このパターンは引き継がれて行く。
また、アストン・マーチンDB5と言う車には、特別な改造が施されているが、以降、車種は変わっても、何らかの改造が施されている。
スパイ映画の面白さを決定的に
数々のスパイ映画が誕生して来たが、この007シリーズを手本にしている事は言うに及ばない。
敵か味方かわからない人物(男女問わず)、秘密兵器、ダンディズム、絶対に諦めないキャラクター……etc。
この映画のオープニングを見て思い出したが、そう言えばジェームズ・キャメロンが監督したスパイ映画『トゥルー・ライズ』で、水中から上がって来たボンドが潜水服を脱ぐと、下には白いタキシードをビシッと着ている、と言うシーンを丸ごと真似て、オマージュを捧げていたね。
このように、影響を受け、オマージュを捧げた作品はそこら中に溢れている。(『オースティン・パワーズ』『ジョニー・イングリッシュ』などなどキリがない)
全身に金粉塗られ、殺された女性の衝撃!
当時、こんな殺し方があるなんて、誰も想像しなかった。
かなりのセンセーショナルで話題を呼び、ポスターやチラシ、パンプレットにもそのシーンが描写されて、強い印象を残した。
実際には、人間は皮膚呼吸なんてしていないから、「その方法では死なない」と言うことを知ったのは、随分後の事だった……。
ショーン・コネリーと言う名優
1970年代、劇場によく足を運んで映画を見ていた頃、初めて彼の作品と出会ったのは『風とライオン』だった。(勿論テレビでは、『007シリーズ』を何回も見て彼を知っていた)
以降も劇場で彼の出演作を多く観たが、作品を重ねるごとに、その魅力と存在感はどんどん増して行った。
『王になろうとした男』、『ロビンとマリアン』などの文芸作品も好きだったが、大御所になっても、いろんな役に挑戦する姿は、彼の役者魂を見る思いだった。
中でも、過酷な条件のもとで撮影された『薔薇の名前』での名演技は、アカデミー助演男優賞を受賞した『アンタッチャブル』より、渋く、熟練した演技だった。
- オールスターが共演した『オリエント急行殺人事件』(1974)や『遠すぎた橋』でも、その存在感は抜群。
- SFに挑戦した『アウトランド』、『未来惑星ザルドス』
- ファンタジーの『バンデッドQ』、『ハイランダー:悪魔の戦士』
- 泥棒一族を描いた『ファミリー・ビジネス』
- 対テロ組織に挑んだ『オスロ国際空港:ダブル・ハイジャック』
- また、1996年には、ジェームズ・ボンド、その後を描いたような設定の『ザ・ロック』
- インディー・ジョーンズの父親を演じた『インディー・ジョーンズ:最後の聖戦』
- 泥棒の師匠を演じた『エントラップメント』
- 伝説の小説家を描いた『小説家を見つけたら』
- 強い意思を持つ指揮官役の『レッド・オクトーバーを追え!』
- 僕が劇場で彼を観た最後の作品『リーグ・オブ・レジェンド:時空を超えた戦い』
などなど、彼が出ているだけで、ワンランク面白くなるから不思議だ。
ガキの頃に見た、ボンドは特別
そんな彼だが、やっぱり中坊の頃に見たジェームズ・ボンドは忘れ難い。
強くて、女にモテて、ユーモアがあり、危険がいっぱい。
そんなボンドのような男になりたいと、思ったことを今でも鮮烈に覚えている。
90歳。
今まで、たくさんの面白い映画をありがとう。
これからも、この「銀河シネマガイド・ブック」で、何度もあなたの映画を紹介させてもらいます。
安らかに、お眠りください……。
ヒッチ先生の【談話室】
先生は何か、「思い入れ」みたいのはありますか?
ボンド映画と言えば、公開される当時はトレンドを取り入れた、最先端の映画、と言う印象が強かったな。
例えば、『黄金銃を持つ男』では、『燃えよドラゴン』で大ブームなったカンフーを取り入れたり、『ダイヤモンドは永遠に』ではアポロ計画を取り入れ、『ムーンレイカー』ではスペースシャトルを登場させた。
でも、それ故に、作品自体が軽い印象に思われていましたが…
確かにボンド役をロジャー・ムーアが演じた頃から、漫画チックになったな。
その反動が現在の、ダニエル・クレイグのボンド役に繋がっているんやろう。
あと、その時代の顔ともいえるシンガーが、主題歌を歌っているのが、あの頃からのトレンドの名残なんやろな
ショーン・コネリー、あなたの作品は、永遠に語り継がれていくはずです。
安らかにお眠りください……。先生、本日もありがとうございました
作品インフォメーション
この映画を見るには、次の方法があります!
1. Amazon prime videoでレンタルする(有償)
2. ブルーレイのソフトを買う
3. 近くのレンタル屋さんに行く…
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