『アパートの鍵貸します』 映画の「面白い」が、全てここにある!

好きなったエレベーター・ガールには、他人に言えない秘密があった……。

   こんな人にオススメ!

  • ロマンティックなクリスマス映画が見たい
  • 切ない気持ちから、ハッピーを味わいたい
  • 本当に面白い映画とは何か? 答えを知りたい

どんな映画?

1960年、名匠ビリー・ワイルダーが監督したコメディ作品。(僕が生まれた年だ)
大手保険会社に務める平社員が、エレベーター・ガールに恋をすると言う、単純な物語のはずなのに、映画が面白くなる、あらゆる要素が詰め込まれている。
コメディ役者のジャック・レモンは、優しく、人の気持ちを優先して考えてしまう難しい役を、笑いと言う手法を使ってユーモアたっぷりに演じている。
最後の最後に、主人公が真の姿に目覚めるシーンは、今見ても感動的だ。

▶︎▶︎▶︎ 今日はあえて詳しいストーリーを書くのは控えたいと思います。(不倫要素があるので、それはちょっと…と言う人は、特に注意が必要かも)
クリスマス間近のニューヨーク。
大手保険会社に勤める平社員のバクスター、通称バド(ジャック・レモン)は、自分の住んでいるアパートを、上司の逢引きの場所として貸す事が多かった。
勿論、それには自身の出世を期待してのことだ。
ある日、みんなが憧れるエレベーター・ガールのキューベリック(シャーリー・マクレーン)に恋をして、食事やデートに誘うが、いつも言葉を濁している。
どうしても彼女と付き合いたいバドは、あれこれ奮闘するが、上司が自宅のアパートに忘れていったものを発見し、奈落の底に落とされてしまう……。

私もバカね。妻子ある人との恋に、マスカラは禁物なのに

見所&解説

見所はズバリ、ジャック・レモンの演技と、ビリー・ワイルダー監督の魔法のような演出だ!

こんなに人の良い主人公を、今まで見た事がない。
1960年当時のニューヨーク。
男が上で女は下、上司の言うことは絶対、部下は従うだけ、と言う風潮を見事に風刺した作品。
僕は常々、チャップリンの頃から、コメディ映画にはどこか哲学的な部分が存在すると感じている。
この名作には、本当の幸せとは何か? と言う問いかけが見えてこないだろうか?
お金や出世を手に入れることだけが、本当の幸せではない、そんな事が60年も前に描かれている。
なのに、今の社会を見ても、あんまり変わっていないように思える。
会社にあっても、いまだに男性社会という現実、パワハラや長時間労働で命を落としたり、横領に詐欺、金にまつわる事件など、どんどん悪質になっているように思える……。

話を戻そう。
出世のために、上司に部屋を貸しているバドだが、利己主義に走るかと思えば、相手の立場と気持ちを思って行動したり、我慢したるする繊細な役を、ジャック・レモンは見事に演じている。
特に楽しのは、テニスラケットを使って、パスタの湯切りをするシーンだ。
あと、酒場でストローの紙を飛ばすシーン。
しつこいぐらい繰り返され、笑わずにはいられない。

僕は『お熱いのがお好き』、『酒とバラの日々』よりも、この作品のジャックが一番好きだ。
12月のニューヨークを舞台にしていて、クリスマス前後に起こる恋物語を、モノクロ映像が、その華やかさと孤独感を見事に際立たせている。
こんな作品が60年も前に作られたなんて、当時のビリー・ワイルダー監督の頭の中を覗いて見たいもんだ。(脳ミソしか見えんぞ)
この映画には、映画の面白いが、全部詰まっている!

○○○+○ エキストラボール

● 小道具の使い方が半端ではない。
割れたコンパクト、アパートの鍵、銃、ストロー、カミソリの刃、テニスラケット、シャンパンと、ヒッチコック先生もビックリの小道具使いに注目して見て欲しい。

このブログでも紹介した、サスペンス・ミステリーの傑作『情婦』も超オススメです。


 

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