『情婦』 この映画に、大ドンデン返し大賞をあげたい!

ミステリー映画市場の傑作! 見ないと言う選択肢は無い!

   こんな人にオススメ!

  • アガサ・クリスティの小説が好き
  • ラストで驚きたい人
  • 個性ある探偵キャラが見たい
  • 絶対にダマされない! と思っている人
  • 法廷劇はつまらない、と思っている人

どんな映画?

クリスティの戯曲「検察側の証人」を、名匠ビリー・ワイルダーが1957年に監督した、ミステリーの傑作。
全ての予想を裏切る、驚愕の結末が待っている。

▶︎▶︎▶︎ ロンドンの病院から退院してきた弁護士のウィルフリッド卿(チャールズ・ロートン)は、未亡人殺しの容疑をかけられた男、レナード(タイロン・パワー)の事件に興味を持つが、彼の主張するアリバイは、妻のクリスチーネ(マレーネ・デートリッヒ)しかいない。
レナードはやがて逮捕され、クリスチーネは夫のアリバイを証言して、無実であることを証明しようと、弁護士のウィルフリッドに相談を持ちかけるが、妻の証言は法廷では採用されないと、証言者リストからも外されてしまう。
ところが、裁判当日になると、何とアリバイを証明すると言っていた妻が検察側の証人として証言台に立ち、あろうことか、「夫にはアリバイが無く、夫自ら人を殺してきた、と聞かされた。犯人は夫に間違いありません」と証言してしまう。
楽勝ムードで裁判に挑んだウィルフリッドは一変、窮地に立ち、トンデモない事件の顛末に巻き込まれて行く……。

犯人は、夫です!

見所&解説

見所はズバリ、ウィルフリッド卿のキャラクター!

法廷劇は退屈だ、と若い人の中には、そう感じている人が意外と多いみたい。
でも、三谷幸喜の『ステキな金縛り』を見た人は、法廷劇と言っても、色んなパターンがあるんだなと、感じたことでしょう。
コメディ色が強かったり、ゴリゴリの社会派劇やミステリーだったり。
そんな法廷を舞台にした映画の特徴は、法廷にたどり着くまでのドラマに、魅力的なものが多い。そして、判決がどっちに転ぶのか、二重の楽しみが法廷劇の魅力だ。

そして、そこに、弁護士や検察の個性が加われば最高だ。
この映画をただのミステリー映画に終わらせていないのは、太っちょの老弁護士で、心臓病を患っているが、酒と葉巻を止められないで、いつも付添いの看護婦(エルザ・ランチェスター、この二人、実生活では本物の夫婦!)に怒られているウィルフリッドの存在が大きい。
ユーモアと風刺に富んでいて、正義感が強く機転もきく。
僕だけかも知れないが、これはクリスティ作品に登場する、灰色の頭脳を持つエルキュール・ポアロを連想せずにはいられない。
彼、ウィルフリッドは、事件を冷静に判断しながらも、依頼人の無実を晴らそうと奔走する。
心臓が悪いにも係わらず、どこまでも正義と言う思い使命に燃える弁護士像には感動を覚える。
そして、彼が事件のすべてを知った時に放つ言葉は特に印象的で、多くの人の共感を呼ぶはずだ。
この映画を見逃す手はないし、見終わった後に、誰もが映画の凄さを、良い映画とはどう言う物なのかを実感するはずだ。
映画好きな人にこそ見て欲しい、あっと驚く映画です。

○○○+○ エキストラボール

● 看護婦役のエルザ・ランチェスター、『フランケンシュタインの花嫁』では怪物の花嫁とメアリー・シェリー(小説「フランケンシュタイン」の原作者)の二役を演じていた。
また、『名探偵登場』にも出演、ミス・マープル(クリスティの小説に出てくるおばさん探偵)のパロディを演じていた。

● マレーネ・デートリッヒは『モロッコ』でハリウッド・デビューした。
このブログでも紹介した『悪魔の手毬唄』の中で、日本語字幕第一作として取り上げられていました。

● その、『悪魔の手毬唄』とは不思議な共通点がある。まず、『情婦』が作られたのが1957年だが、横溝正史が「悪魔の手毬唄」を発表したのも1957年。しかも、両作品には、あるトリックが……、おっと、この辺でやめておきましょう。


 

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