映画『ガバリン』恐怖と笑いの融合！ コメディ寄りのホラー作品！

2023年6月25日2024年3月28日

意外な展開に、「そう来たか！」

・ビックリ系のホラーは好き
・コメディ調のホラーも好き
・カルト的な作品は見たい

どんな映画？

『13日の金曜日 PART2＆3』『U.M.A レイクプラシッド』のスティーブ・マイナー監督が、1986年に製作したホラー作品。
最近になって、やっとソフト化（￥4000近くと高い！）しましたが、それまでは、映画専門チャンネルでもオンエアされず、一部の映画ファンの間ではカルト化していました。
僕は今回、U-NEXTの配信で見ました。（『ガバリン２』も配信中）
主演のロジャーを演じるウィリアム・カットは、『新・明日に向かって撃て』で、若き日のサンダンス・キッドで注目されましたが、それ以上に、そのサンダンス・キッドを演じたロバート・レッドフォードに激似だった事の方が話題になりました。
『キャリー』（1976）、『ビッグ・ウェンズデー』（1978）にも出演していました。

▶︎▶︎▶︎ ホラー作家のロジャーは、新作が書けずに悩んでいた。
サイン会に出ても、「次回作は何を？」と聞かれるが、ベトナム戦争の体験談、と答えるのが精一杯だった。
そんな折、叔母が自殺して、その家を売却しようとしていたが、ふと、その家で静かに小説を執筆しようと考え直し、売却を取りやめた。
実は、ロジャーは離婚した妻との間に、一人息子がいたが、叔母の家に遊びに来た時に行方不明になった、と言う過去があった。（今もFBIと連絡を取っていた）
お節介な隣人のファンに悩みながらも、ベトナム戦争の体験談を執筆し始めると、誰もいないはずの2階から物音が聞こえてくる。
その音を辿って2階に行くと、自殺した叔母の部屋から聞こえて来る。
中に入って、音のするクローゼットの扉を開けたロジャーは……。

見所＆解説

ロジャーが、ベトナムで体験した事を書く小説が、映像として劇中に挿入される。
最初、ベトナムでの体験と、本編の物語に、何の関係があるんだろうか？ と思って見て行くと、最後に「なるほど、そう来たか！」と思わず納得してしまいました。
何故なのか、これからこの作品を見る人は、想像を働かせながら見るのも楽しいと思います。

よくある話？

引っ越しや、後を引き継いだ家や屋敷に住んでみると、そこには悪魔やゴーストがいて……、と言う類のホラー映画といって差し支えないと思います。
『悪魔の住む家』（1979）『チェンジリング』（1980）『ホーンティング』（1999）『ポルターガイスト』（1982）と、枚挙にいとまがない、ホラー映画の定番と言えるでしょう。
その中にあって、いち早くコメディ要素をガッツリ取り入れた事で、他の作品とは、異なる特色を持っています。

見所は三つに絞ってみる

まず一つ目は、ロジャーの息子はどうなってしまったのか？
息子が消えた時、プールで消えたようにも思えるし、車で連れ去られたようにも見え、観客は少し戸惑います。

二つ目は、やっぱり気になるベトナム戦争の描写。
これは見ていても、最後の方にしか、その意図が分からないと思いますが、ピンと来た人は、相当感が鋭いと言えるでしょう。

三つ目は、笑って良いのか、怖がった方が良いのか、と悩むところ（？）
普通なら、ホラー映画なんだから、怪物かゴーストが出た時は、怖がるのが当たり前ですよね。
しかし、そのクリーチャーの造形を見ると、果たしてどっちのリアクションをした方が良いのか悩んでしまいます。

少し変わったホラー映画を探している人には、オススメです。

タイトルの『ガバリン』、原題は『HOUSE』。
これをそのまま日本語のタイトルにすると、大林宣彦監督の『ハウス』と混同し、ややこしくなってしまいます。
そこで、じゃあ何故『ガバリン』となったのか？
これも諸説あるんですが、僕個人としては、GOBLINと言う、ヨーロッパの伝説やファンタジーに、しばしば登場する架空の生き物から、『ゴブリン』→『ガバリン』にしたのではないか、と言うと、ちょっと強引でしょうか（笑）

舞台となる家は、L.Aのウェスト・アダム地区にある、ヴィクトリア様式の家でロケが行われました。
この地区は、ヴィクトリア様式の建物が多く、あの『ブレードランナー』でも一部取り上げ撮影されています。← この話題は、Chat-GPTに調べてもらい、僕自身がファクトチェックを試みましたが、確かに地名や建物などは実在しました。
ただ、本当に『ブレードランナー』のロケが行われたのか、不明です。
なので、話半分として読んで下さいね。

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