映画『ミスト』間違った選択が生み出したホラーの傑作!【真夏のモダンホラー・コレクション】VOL.5

ロッカリア
どーも、ロッカリアです。
朝晩、すっかり涼しくなって来ましたが、真夏のモダンホラー、行ってみましょう……

予告編『ミスト』字幕なし

教訓、晴れない霧はない!

   こんな人にオススメ!

  • スティーブン・キング印の映画は外せない
  • 原作とラストの違いが知りたい
  • パニック的なホラー作品も好き

どんな映画?

スティーブン・キングの中編小説「霧」を、『ショーシャンクの空に』『グリーン・マイル』で好評を得たフランク・ダラボンが2007年に監督したアメリカ映画。
主な舞台をスーパーマーケットに限定し、そこで繰り広げられる惨劇と恐怖に直面した人々の、戦いと感情にスポットライトが当てられている。
未知の生物に襲われれ、逃げ惑うパニック的な作品としても面白い。
また、原作と違ったラストが賛否両論、公開当時物議を呼んだ事でも話題になった。

▶︎▶︎▶︎ 前夜の嵐で、家が被害を受けてしまったデビッド(トーマス・ジェーン)は、妻を残して、息子のビリーと、仲が悪い隣人のノートンを車に乗せて町のスーパーマーケットに向かった。
買い物をしていると、突然サイレンが鳴り出し、何事かと、買い物客が外を見ていると、血だらけの老人が助けを求めてスーパーの中に入って来た。
「霧の中に何かいる!」老人がそう言ってドアを閉めるように叫ぶと、濃い「霧」が町を飲み込んでいった。
同時に地震が起こり、買い物客はパニックになるが、それは恐怖の始まりに過ぎなかった……。

見所&解説

原作のイメージをかなり正確に描いた監督の手腕は、『ショーシャンクの空に』『グリーン・マイル』で証明済みだ。
原作者のキングも絶賛している事から分かるように、彼への信頼は絶大なものがある。(原作と違うラストを含めて)
昆虫のような生物にしろ、吸盤のついた蛸の足のような触手があるクリーチャーにしろ、ゲテモノっぽさが無く、リアリティに拘っているのも見逃せない。
また、霧に包まれた世界と言うのは、それだけで、日常を非日常に変える効果があって、霧の中の世界は、一体どうなっているのか? 観客には興味が尽きない。
この「霧」が作品のど真ん中にあるわけだ。
だが、この作品を傑作だと思う僕は、そんな演出だけを評価して言っているんじゃない。
アナザー・テーマとも言える、もう一つとても興味深いテーマを、ダラボン監督は我々に提示している。
それを見逃しては、この映画の本質を見失ってしまうだろう。
※以下、ネタバレ気味になるので、未見の人は、飛ばして下さい。

   未見の人は読まないで下さい!

あの陰鬱なラストを見て、気分が悪くなった、と言う人も多いだろう。
しかし、その見方は少し間違っている、と言えるかも知れない。
スーパーマーケットの外に出ることは、死を意味する。
キリスト教原理主義者のカーモディ婦人とデビッド、そして買い物客のほとんどがそう思っていた。
デビッドの隣人、ノートンと数人は、デビッドが遭遇した未知の生物の話を、ウソだと決めつけ、冗談半分に聞いていた。
だから、「霧」の中には、得体の知れない何か、がいる事を信じずに、外へ出て殺されてしまった。

ところが、その前に、子供二人を家に置いて来たと言う、ショート・ヘアの女性がいたのを思い出して欲しい。
彼女は、何が何でも家に帰らなければいけないと、そこにいた全員に訴え、助けを求めたが、誰も彼女を助けようとしなかった。
何故なら、外へ出ることは死を意味するからだ。
みんな自分の命が大切なのだ。
だが、ショート・ヘアの女性は、自分の命よりも子供の命を優先させた。
それは、ダメかも知れない状況でも、希望を、そして子供の命を助けると言う使命を捨てなかった、と言える。

そしてあのラストだ。
デビッドは希望を失い、人生を諦め、自分の子供の命を奪った。
これは、ショート・ヘアの女性と真逆の行為だ。
ところが、しばらくすると「霧」が晴れ、軍隊の車が、救出した人々を乗せて、デビッドの前を通り過ぎた。

その時彼は見た。
ショート・ヘアの、あの女性が子供と一緒に、乗っている姿を。
そしてデビッドは、自分の犯した罪みの深さに、絶叫してしまう……。

一見、バッドエンドに思えるラストにも、実は、最後まで希望を捨ててはいけない、と言うダラボン監督の強いメッセージがあると確信します。

未見の人は、少し後味が悪いかも知れませんが、映画を見たあとで、上のネタバラシの部分を読んで下さい。

(↓ 霧を題材にした映画です)

ヒッチ先生の【談話室】〜二つのエンディングがある!

ロッカリア

ロッカリア

先生、ふと思ったんですが、この映画のラストって、『鳥』のエンディング、あの世界観に似ていると感じたんですが…
ヒッチ先生

ヒッチ先生

ホッホッホ、そやな。
『鳥』に影響されたクリエイターも多いやろ。
世紀末的な景色を、映像として提供したのは、『鳥』が世界で初めてやろ。
『鳥』のラストは、その後、一体どうなってしまうのか? と言う不安を残していると言える。
だが、この映画『ミスト』のラスト、実は珍しい解釈ができるんや。
二通りのエンディングが存在しているのに、お前、気付いたか?
ロッカリア

ロッカリア

ん〜……。
つまり、主人公にとっては最悪なバッドエンドですが、他の人間にとっては救いのある、ハッピーエンド、と言う事ですか?
ヒッチ先生

ヒッチ先生

おお、よう分かったな。
そう言うこっちゃ。
映画は主観で見るもんやから、デビッドの気持ちで見ていると、最悪の終わり方。
でも、「助かった人もいるんだ」と感じると、ハッピーエンドが成立している人も、きっとおるはずやで
ロッカリア

ロッカリア

なるほど!
そんな考え方もあるんですね!
さすが先生、いつも気付きを教えて頂きありがとうございます!

作品インフォメーション

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ミスト (字幕版) プライム会員は無料!

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ミスト Blu-ray

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