映画『ザルツブルク・コネクション』スパイ映画は名簿がお好き?
本日ご紹介する映画、最近流行りの、リモート・トラベルにピッタリかも知れません(W)
アクション映画? いいえサスペンス映画です!
こんな人にオススメ!
- ヨーロッパを舞台にしたスパイ映画が見たい
- 1970年代、あの頃映画が見たい
- オーストリアに行った事ある & 行ってみたい人
どんな映画?
スティーブ・マックィーン主演の『栄光のル・マン』の監督、リー・H・カッツィンが1972年に作ったスパイ映画。
主演にバリー・ニューマン、共演にアンナ・カリーナを迎え、スパイ天国と言われたオーストリアでロケーションが行われた。アルプスなどの風景を活かした作品に仕上がっている一方で、一部の人から、アクション映画と言う評価もあるみたいだが、これには賛成しかねない。
▶︎▶︎▶︎ 弁護士のビル(バリー・ニューマン)は、出版社とのトラブルを伝えるため、写真家のブライアントが経営する写真店を訪ねた。
妻のアンナ(アンナ・カリーナ)は、主人は湖に行って、今は不在だと言う。
しかし、そのブライアントが死んだ事により、ビルは旧ナチスに関する重要な秘密をめぐり、各国のスパイ合戦に巻き込まれて行く……。
見所&解説
最初に言ってしまうが…
DVDを買ってまで見る作品かと言うと、そうでもない。(僕は買ったけど…)
盛り上がるシーンも言うほどな無い。
一応サスペンス映画に分類したが、緊張感もそれほど無い。
CIA、KGB、イギリス&中国の諜報部員、元ナチス党員が入り乱れ、誰が敵で誰が味方か分かりづらい。
そんな作品だが、ある事に注目して見ると、興味が持てるかも知れません。
主演の二人を知って見る
主演の二人とは、弁護士役のバリー・ニューマンと、ブライアントの妻役、アンナ・カリーナのこと。
バリー・ニューマンと言えば、オールド・ファンとしては忘れがたい作品がある。
アメリカン・ニューシネマの傑作『バニシング・ポイント』だ。
体制に反抗しながら、ラジオDJがかけるロックに乗って、ダッヂ・チャレンジャーで、広大な大地をひたすらぶっ飛ばすバリー・ニューマン。
その姿に痺れた映画ファンは多いはず。
一方、アンナ・カリーナは、フランスの女優で、ジャン・ポール・ベルモンドと共演した『気狂いピエロ』が有名だ。
こちらは、ヌーヴェルヴァーグの代表作で、ジャン・リュック・ゴダールが監督した名作だ。
奇しくも、アメリカン・ニューシネマの傑作に出たバリー・ニューマンと、ヌーヴェルヴァーグの名作に出たアンナ・カリーナ、この二人が、オーストリアで共演していると言う、不思議を楽しもう。
ロケーションを楽しむ
今の時期、リモート・トラベルと言って、Googleアースなどを利用して、家にいながらヴァーチャル旅行を楽しむ人が急増しましたね。
この映画も、アルプス山脈にリフトで登ったり、古い鐘楼のツアーがあったり、古都の街中を歩いたり、車で走ったりと、その気になれば、景色を楽しめる。(ちょっと強引だけど…)
カー・アクションは…
アマゾン・レビューで、カー・アクションが凄い、的なコメントがありますが、それは昔見た、遠い記憶の錯覚だろう。
はっきり言って地味な映画だ。
例えば、拉致されたアンナを追いかけるバリーだが、その車を追い越すと、今で言う煽り運転のようにスピードを落として、ノロノロとゆっくり走る、ただひたすら。(おいおい…)
この映画を見る(再見だけど)までは、僕もカー・アクションが面白かったと、記憶していたのだが……。(←ボケだろボケ)
スパイ映画と名簿(ファイル)
最近で言えば、『M・I:ローグ・ネイション&ゴースト・プロトコル』など、秘密の名簿をめぐってスパイが暗躍する、と言う構造。
スパイネタに困ったら、名簿を使えと、と言うセオリーがあるのだろうか?
アンジェリーナ・ジョリーのお父さん、ジョン・ボイトが主演した『オデッサ・ファイル』と言う映画があるが、この作品も本作同様、ナチスに関する、秘密の名簿をめぐるサスペンス映画となっていて、原作がフレデリック・フォーサイスだけに、一歩面白いと思います。(一歩…)
興味のある人は、こちらの作品のもどうぞ。
知られたらまずい名簿、燃やせ……。
あの頃映画が好きな人なら
この映画はDVDでしか見られませんが、画質はかなり良いです。ただ、画角が4:3と言う昔のテレビサイズの為、両端が切れているのが残念。
でも、あの頃映画が好きな、僕の年代のような人なら、コレクションとしては有りかも知れませんね。
ただ、若い世代の人にはお勧めできません……。
余談ですが、公開当時のチラシを見ると、『フレンチ・コネクション』に続く、コネクション・シリーズ第二弾! と言うキャッチフレーズが踊っていました。
ヒッチ先生の【談話室】〜それ、いる?
つまらないと、一言で片付けるには、結構最後まで見入っちゃいました。
どうしてでしょうか?
結構キャラが強いからな。
でもな、サスペンスと言えるほどの緊張感もないし、見所はどこや?って聞かれたら、お前なんて答える?
山場が無いと言うか、なんと言うか……
問題はそれや!
よう考えてみ、主人公にとって、この名簿いるか?
あっても無くても、全く関係ないやろ?
主人公に必要がないとしたら、それは観客にも同じや。
名簿をめぐって右往左往するのはスパイたちだけで、観客には全く意味を持たんアイテムや。
場外乱闘を見て、観客が興味を引くと思うか?
主人公に関係ないモノを争っても、他人事、と言う事なんですね
主人公にとって、それが命同様に大切な物やないと、観客は主人公に感情移入が出来へん、つまりオモロ無い、と言う事にならんか?
と言うことは、この映画は、観客の存在を意識していない、と言う事になるんでしょうか
この監督は、観客を置いてきぼりにしてるように見えるな。
だからイマイチ盛り上がらんのとちゃうか
先生、本日もありがとうございました
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