映画『ダーティハリー2』白バイ対刑事の死闘が凄まじく面白い!
この映画は間違いなくアクション映画ですが、正義とは一体何か?
何を持って正義とするのか?
そんなテーマが見え隠れしています。
本日の映画は……
こんな人にオススメ!
- 刑事アクションが好き
- スカッとする痛快アクションが見たい
- クリント・イーストウッドの映画が好き
どんな映画?
サンフランシスコのはみ出し刑事、ハリー・キャラハンが、同じ部署の白バイ警官の殺人を見抜いて、死闘を繰り広げる1973年のシリーズ2作目。
なんと、『ディア・ハンター』で監督として名を馳せるマイケル・チミノ、『ビッグ・ウェンズデー』を監督し、若者の心を掴んだジョン・ミリアスが、脚本を担当している。(なんと豪華な…)
1970年当時、アメリカの大都会では、犯罪の増加と、警官の汚職が社会問題になっていた。
この映画は、その警官にスポットライトを当て、警官の正義とは何か? と鋭く切り込んでいる所に注目です。
▶︎▶︎▶︎ 証拠不十分で無罪判決を受けたギャングのボス。
車で移動中に、白バイ警官が停止させる。
するとその警官は、いきなり銃で皆殺しにしてしまう。
その後も、法律で裁くのが無理な犯罪者たちが、白バイ警官の手で、次から次へと殺されて行く。
ハリーは、古い友人の白バイ警官、チャーリーが、精神的に不安定なことを知り、彼をマークするのだが、影の警察組織が動き出していたのを、ハリーはまだ知らなかった……。
見所&解説
見所はズバリ、ハリー・キャラハンの、刑事としてのプライドだ!
有名監督二人が脚本を担当しただけあって、見所満載の作品に仕上がっている。
ハイジャック犯を、機長に扮装して制圧したり、廃墟の戦艦でバイクに乗ったり、滅多に見られない、警察の射撃大会のシーンがあったりと申し分ない。
しかし、本作の主役は、何と言っても白バイ警官、そう断言しても過言じゃない。
従来の、凶悪犯対警察の構図は崩され、警官対刑事と言う、斬新な発想が取られている。
1970年代と言えば、俳優クリント・イーストウッドにとっても全盛期。
この作品でも体を張ったアクションを見せてくれが、中でも、『マンハッタン無宿』で見せたバイク・チェイスを、クライマックスの戦艦上で堪能できる。
近年、監督業兼、俳優のクリントしか知らない世代の人には、新鮮に映るはずだ。
この際だから、監督としてのイーストウッドを分析!
その監督業だが、彼の作品全てには共通点がある。
初期の頃はそうでも無かったが、特に顕著になって来たのが、1992年の『許されざる者』からだと思う。
彼の監督としての視点、作品作りのスタイルは、とことんネガティブにテーマを描くことだ。
そして、そのカオスの中から、一点の光明を見出し、希望の光へと転換して行く、これがクリント流のスタイルだと思っている。
そして、そのスタイルは何処から培われたのか?
僕は間違いなく、そのルーツに、この作品の脚本を担当した二人、ジョン・ミリアスとマイケル・チミノの影響だと思っている。
『許されざる者』以前は、間違いなくドン・シーゲルだ。
どうしてスタイルを変えたのか?
それは、奇しくも『許されざる者』で描かれた、「老い」に気付いたからではないか。
人間は、歳を重ねると、経験と知識も蓄積される。
つまり、老いる、という事は、今までとは違う形で、作品と向き合える、と言う事だ。
この「老い」と言う、ネガティブ・ワードから、クリント自身が光明を見出し、希望の光を見つけ出した。
エンターテイメント重視の作品から、人間そのものにスポットライトを当てた結果、誰もが認める作品を世に送り出して来たのだ。
だから面白い。
時間を、いや話を戻そう
白バイ警官が私刑を実行する、こんなネガティブなテーマを取り上げるほど、当時のアメリカは病んでいた。
そこに登場するハリー・キャラハンは、とにかく犯罪を憎み、腐敗を憎み、権力を嫌う。
その姿が、大衆に支持され、大ヒットした。
ハリー・キャラハン(クリント・イーストウッド)は、アメリカのヒーローだったのだ。
この機会に、是非ご覧になってはいかがでしょうか、オススメです!
ヒッチ先生の【談話室】〜ちょこっとトリビア
お前こんな話、知ってるか?
一作目の『ダーティハリー』で、スコルピオと言う殺人鬼おったやろ、あれには実際のモデルがおったんやで
モデルですか?
そうだったんですか!
そっから取ったんやで。
ただ、脚本の段階で、そのキャラは、かなり変わってしもたけどな
あれをホルスターに入れてみ、ムチャクチャ重いし、ジャケットもメッチャ膨らむねん。
ほやから、走るシーン、格闘シーンなんかでは邪魔でシャーないやろ、ほやから撮影中は殆どホルスターは空やったんやで。
ま、考えてみたら、当たり前のことやけどな
先生、また面白い話があったら、教えてください
またな
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