『屍人荘の殺人』 2019年、邦画界最大の収穫か!?(ネタバレなし!)

2019年12月17日

本格ミステリーでありながら、別次元の体験が出来るエンターテイメント!

   こんな人にオススメ!

  • 本格ミステリーが好き
  • 原作との違いを知りたい
  • 名探偵の推理に酔いたい
  • 懐かしいムードのミステリーが見たい

どんな映画?

第27回 鮎川哲也賞を受賞してデビューすると、年間のミステリー・ランキングの一位を独占した、今村昌弘氏の小説を映画化。
各専門誌、ミステリー評論家が揃って絶賛したのは、クローズド・サークルの作り方にあった。
クローズド・サークルとは、雪深く外界に閉ざされた山荘で起こる事件や、孤島で起こる事件など、閉じ込められた世界を作って、そこで事件が起こる、と言う空間の設定のことだ。
詳しくは言えないが、その状況の作り方が独創的で、ぶっ飛んでいるのが、このミステリーの特徴だ。
また、原作と映画は別物だと割り切り、映画に特化した工夫が随所に見られる。
邦画界に久々に登場した、エンターテイメント・ミステリーだ。

▶︎▶︎▶︎ 大学で、小さい事件を次々と解決(?)して来た、ホームズを自称する明智(中村倫也)と、ミステリー小説オタクを自称するワトソン役の葉村(神木隆之介)。
二人は、カワイイ女子大生の剣崎比留子(浜辺美波)から、ロック・フェス研究会の夏合宿に、一緒に参加して欲しいと頼まれる。
明智は、最初興味を示さなかったが、脅迫状が届いている事を明かされると、参加を決める。
そして、その合宿がある山荘に3人が到着すると、前代未聞の、とんでもない事件が幕を開けるのだった……。

あーっ! 鐘だーっ!

見所&解説

見所はズバリ、閉ざされた山荘の作り方と、剣崎、葉村、そして明智のキャラクター!

未見の人のために、核心に触れないで話を進めたい。

映画『トリック』の遺伝子を受け継いだ、ムードとユーモアを取り入れているのが特徴だ。
原作とかなり違う部分があるが、映画作品として、かなり作り込まれているので、原作を知らない人はもちろん、原作を知っている人も充分楽しめる。
自らをホームズと名乗る明智(…)のキャラも相当なものだが、比留子のキャラはその上を行く。
名案が浮かぶと、明智の場合は指パッチンするだけだが、比留子の場合、相撲のシコを踏む。
この辺は、見る者が許せるか否か、に分かれるところかも知れないが、葉村同様、カワイイ、と言うことで許してしまう。

また、ミステリー・ファンを喜ばせる仕掛けも結構ある。

例えば、まず山荘に到着した比留子は、屋上に吊り下げられた鐘を見て、「うわー、鐘だ!」と言ってテンションがマックスになり、ハンマーで鐘を打ち鳴らす。
「ナンジャラホイ?」と思うかも知れないが、比留子はミステリーに精通しているからなのだ。
小説でも映画でも、「鐘」にまつわるトリックや逸話が多くある。
『獄門島』とか、赤川次郎の「沈める鐘の殺人」などなど。(← もっと言ってみろ!)
そう言う事をを知っていたので、嬉々として鐘を叩いたのだ。
この行為にはもう一つ意味があって、比留子自身が、これから事件が始まる事を、無意識に告げてしまったのだ。

さらに、使い古されたトリックに、もうネタがないと言われている密室があるが、この映画では堂々と取り扱われている。
そのトリックを解くのが、ワトソン役の葉村だが、ミステリー小説オタクらしく、かなりアナログな手法で解明してみせるが、それが結構がそそるのだ!
しかも、過去にない手法で、二つの難関を突破してみせる。(コナン君に見えない事もない…)

これから、この映画を見ようと思っている人に、一つだけアドバイスをしておきましょう。

最後の最後に、ある人物が何かを言うが、口の動きだけで、声を発しない。
この時、その人物の口元を注視しておきましょう。
ほんの一瞬です。

疑問点も幾つか残るが、ユーモアと恐怖の入り乱れたこの世界観を、素直に受けいることで、最大限に楽しめるはずだ。

○○○+○ エキストラボール

● 僕は普段スマホを使っているが、他人に拾われても、顔認証やパスワードで守られている。
拾った人間がハッカーでない限り、そう簡単にはのぞけないはずだ。
ところが、この映画では簡単に、他人が中を見てしまう。
この辺は疑問だ。

● この映画で、ラストに比留子が、「あげない!」と言う一言が、強く印象に残った。小説にはないエンディングだ。

● パンフレットにも気が配られていた。
なんと、重要な部分が袋とじ、になっているので、小説を読んでない人が、上映前に見てもネタバレしないようになっています。

●  ネタバレ気味で言うので、未見の人は読まないで!
最後の言葉、僕には「まかせた」と読めたのだが……。

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