映画『獄門島』俳句に見立てた連続殺人! ラストシーンは切ない…

2023年4月9日

ロッカリア
どーも、ロッカリアです。
爽やかな気候になって来ました。
秋と言えば、何故だかミステリーが見たくなる季節なんですよね。
今日ご紹介の映画は、あの傑作シリーズです!

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映画『獄門島』予告編

金田一耕助シリーズの頂点と言えるミステリー!

   こんな人にオススメ!

  • このシリーズのファン
  • 本格探偵ものが好き
  • ミステリーにも感動が欲しい
  • 見たことがない人

どんな映画?

溝正史、市川崑、石坂浩二のトリオによる金田一シリーズの三作目にして最高傑作。
瀬戸内海に浮かぶ孤島を舞台に、三姉妹に起こる悲劇を防ぐために、金田一耕助がやって来るが、俳句に見立てられた殺人事件は無惨にも起こってしまう。
ヒロインの早苗(大原麗子)が、金田一に見せる一瞬の恋心は、ラストへと繋がり、見た人の記憶と心に刻まれるはずだ。

▶︎▶︎▶︎ 終戦直後、友人の依頼で獄門島にやって来た金田一耕助(石坂浩二)は、彼の持って来た悪い知らせに呼応するように、網元の娘、花子が殺され、寺の境内の木に、逆さに吊るされている所を発見される。
金田一の悪い予感は続くが、島の警官に不審者扱いされ、牢屋に入れられてしまう。
等々力警部も島にやって来るが、第二、第三の殺人が……。



見所&解説 (ネタバレはしません)

いつもとは違うはずだが、いつもと一緒…

少ない情報だけで、事件を解決するのは、いくら名探偵でも無理な話だが、今回の事件は未然に防げたはずだ。
何故なら、友人が戦友から受け取った手紙によって、最初から三姉妹の命が狙われている事を知っていたではないか。
この状況なら、殺人を実行しようとする犯人と、それを阻止しようとする金田一の、頭脳合戦になるべきはずだが、結局は事件の語り部に終始しているのは、いつもと同じだ。
この辺は、原作の小説の方が迫力を持って描かれています。

欧米のミステリーとは一線を画す、極めて日本的な作品

だが、単純に、頭脳合戦にしない所が、横溝ミステリーの真骨頂とも言える。
欧米小説を原作としたハリウッド映画なら、パズルを解くような作品に仕上がっても不思議ではないが、それをさせないのが、今シリーズの特徴だ。
戦後直後の島で起こる、運命を呪いたくなるような獄門島の時代背景と因習、そして貧困が巻き起こす悲劇。
横溝ミステリーは、人間の業を正面切って描いてみせる。
これが、単純に「探偵対犯人」のゲーム感覚に陥らない、日本的なミステリーと言える所以です。

金田一は無能な探偵? それは違います

「何故犯人は、こんな事をしたんでしょうか?」
「どうして、そんな事をする必要があったんでしょうか?」
これは金田一が劇中でよく言うセリフだが、これは観客に問いかけていると思っている。
ミステリー映画で、探偵が途中で犯人を当ててしまったら、作品として成り立ちません。(小説でも一緒)
犯人や謎を解くのは、常に観客であり読者でなくてはなりません。
そう言う意味において、このシリーズの金田一耕助は、最高の語り部、と言えるんじゃないでしょうか。
今回の事件は、『犬神家の一族』と似ている部分があって、犯人も特殊だ。(言えないけど)
トリックも凝っていて、俳句に見立てられた殺人は、日本版「マザーグース」の見立て殺人として有名だ。
まあ、釣鐘のシーンには、「?」マークがつく人もいるでしょうが……。
それでいて、謎解きに終始しないのは、市川崑監督が、徹底して人間の業を描いているからでしょう。

さり気なく、ラブストーリー

早苗が金田一に、「私をこの島から連れ出して」と言うシーン。
金田一が、「僕がですか……」と困った顔をする。
早苗はすぐに「冗談です……」と言う。
この映画を見た事がある人は、思い出して欲しい。

船で島を後にする金田一たちに対して、早苗は港には現れず、寺の釣鐘を突いて送り出す。
事件が解決した事への感謝の気持ちと、一行の安全を願っての意味もあるだろう。

だが、鳴り響く鐘の音の中に、早苗の、金田一に対する秘められた想いを見つけ、結ばれない恋に、涙が止まらなかったのは、僕だけだろうか……。

ヒッチ先生の【談話室】

ロッカリア

ロッカリア

先生、この作品、シリーズ三作目にして、最高傑作だと思うんですが?
ヒッチ先生

ヒッチ先生

全5作、これだけクオリティの高いシリーズは珍しいな。
三部作ぐらいならポツポツあるけど
ロッカリア

ロッカリア

成功したその理由は、何から来るんでしょうか?
ヒッチ先生

ヒッチ先生

このシリーズ、よく見ると、同じ俳優がよう出て来るやろ?
ロッカリア

ロッカリア

そう言われると、そうですね。
前作で犯人だった人が、違う役で出ていたり、そうかと思うと、等々力警部は加藤武さんが一人で演じているのに、毎回、金田一耕助とは初対面と言う設定になっているし…
ヒッチ先生

ヒッチ先生

このシリーズの見所は、監督が信用している豪華な俳優陣、と言うより、演技が上手い役者を、これでもか! と言うぐらい揃えた所、と言ってもええんちゃうか?
ロッカリア

ロッカリア

と言う事は…、どう言う事ですか?
ヒッチ先生

ヒッチ先生

もちろん、監督、原作の素晴らしさは誰も否定できへんが、映画を観ていて、全く飽きがけーへんのや。
それは何でかと考えたら、事件と事件の間に繰り広げられる、俳優たちの演技が、素晴らしいの一言に尽きるからや。
笑いをとる人、とぼけてる人、秘密を知る人、何かを隠している人、気が狂っている人、愛に溺れる人、乗っ取ろうとしてる人、一見関係ない人、島の人々、復員兵…、登場人物に、誰一人、無駄な人間が登場せーへん。
全シリーズ通しての事やで。
ロッカリア

ロッカリア

そうか、そう言われれば、昭和の名優が、どのシリーズにも多く出演して、見応え充分ですよね。
先生、本日も勉強になりました

作品インフォメーション

この映画を見るには、次の方法があります!

1. Amazon prime videoでレンタルする
獄門島(プライム会員は無料で観られます)

2. 楽天市場でDVDを買う

獄門島[東宝DVD名作セレクション]/石坂浩二[DVD]【返品種別A】

3. 近くのレンタル屋さんに行く…

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ミステリー

Posted by rockaria