『デス・ウィッシュ』 時代という流れに一番敏感なのが映画、かも知れない

妻を殺され、娘を瀕死の重体にされた医師は、メスの代わりに銃を手に取った……。

   こんな人にオススメ!

  • 『狼よさらば』を知っている人
  • 復讐劇は好きだ

どんな映画?

チャールズ・ブロンソン主演、1974年の『狼よさらば』のリメイク。
主人公は、建築士から医師に設定が変わっている。
主演にブルース・ウィリスを起用した2018年、アメリカ映画。

▶︎▶︎▶︎ ポール・カージー医師(ブルース・ウィリス)は、自宅に妻と娘を残して、緊急オペで病院に急行した。
その留守に強盗が入り、妻と娘は銃で撃たれてしまう。妻は死んだが、娘は意識のないまま、ポールが勤める病院に搬送されて来た。
警察は犯人を中々特定出来ず、ポールは偶然拾った銃で、自ら犯人を探して復讐しようとする……。

見所&解説

見所はズバリ、銃社会における映画の立ち位置だ!

アメリカの銃社会を考える時、僕はこんな事を考える。
日本人がもし、現代でも腰に刀を刺して歩いていたら、一体どんな社会になっていたんだろう……、と。
ちょっと馬鹿げた考えかも知れないが、アメリカは西部の時代からずっと、腰に銃をぶら下げているのだ。
この作品が上映された際、賛否両論に巻き込まれた。
はて? それはオリジナルと比べてなのか、作品自体の出来なのか?
今日は、オリジナルとリメイクのアイデンティティの決定的な違いを明らかにしておきたい。(なんせ、オリジナルの大ファンなので…)

『狼よさらば』のブロンソンは、妻を殺され、娘はレイプされ、意識不明の重体にされ、犯人たちを探し出し、自らの手で復讐しようと考えた。
銃で武装し、自分自身が囮(おとり)となって、夜の街に出かける。
そして、遭遇したワルに、容赦無く銃を撃つ。
この行動は、徹底して妻子の復讐のために、狂気に取り憑かれたように相手を殺す。
都会に放たれた狼のようになっていったのだ。

一方、リメイクには、こんなシーンがある。
医師であるブルースの病院に、足を撃たれた子供が運ばれてくる。
ブルースが少年に話を聞くと、今度は足だけじゃ済まないと、脅かされている事が分かる。
薬の売人が、子供を使って仕事をさせていたのだ。
それを聞いたブルーズは、もう大丈夫だと言って、次の日に少年を撃った薬の売人の所に行き、真っ昼間にもかかわらず銃で撃ち殺す。
つまり、少年を助けるために、正義感から殺人を犯したのだ。
これがオリジナルとの決定的な違いだ。
オリジナルは最後まで、自分の復讐のためにだけに銃を撃ったが、リメイクは、正義をかざして人を撃ったのだ。
徹底的にクールだったオリジナルは、映画として楽しめたが、リメイクは、わざわざ関係のないエクスキューズを入れているのだ。
善のための殺人、これが賛否両論の元になったではなかろうか?
銃賛成派は、自らの命は自分で守るという強い意識がある。
反対派は、銃自体が社会に犯罪をもたらしている根源だと主張する。
これは、永遠に平行線ではないのだろうか……。

そんな事を考えてしまうが、この映画は、そこまで銃社会に対するメッセージは無いようだ。
オリジナルは、一人自警団、市民警察と言う問題を社会に広めたが、、リメイクはラストもオリジナルとは程遠い、残念なものになっている。

○○○+○ エキストラボール

● ジョディ・フォスターが主演した『ブレイブ・ワン』(2007)と言う作品がある。
公開当時は、女性版『狼よさらば』と言われ、設定も殺されたのは恋人になっているが、内容は似ている。興味がある人はこちらも見てください。

● 『狼よさらば』の一作だけでやめておけば良いものを、『ロサンゼルス』『スーパー・マグナム』『バトルガンMー16』『狼よさらば:地獄のリベンジャー』と続編が作られたが、さろぞれの評価は……、言うまでもない……。


 

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