映画『バスカヴィル家の犬:シャーロック劇場版』謎解き半分、人間ドラマ半分のミステリーです。
「不気味な野犬」「閉ざされた島で起こる殺人」「大富豪の古い屋敷」
そこに隠された真実を突き止めた時、探偵は何も出来なかった……。
どーも、ロッカリアです。
本日紹介する映画は、コナン・ドイルの名作を、大胆にアレンジしたミステリーです
タイトルから本格ミステリーを連想するのは早計だ……。
・ドラマがあるミステリーも好きだ
・TVシリーズを見ていた
・ミステリーは見ないと気が済まない
どんな映画?
TVドラマシリーズ「シャーロック」の劇場版。
ディーン・フジオカと岩田剛典がそのまま映画にも出演、息の合った、「息の合わない二人」を見せてくれる。
ミステリーなので、詳しい内容は避けたいのですが、これは言っておかないと、少し期待外れに見えてしまうかも知れないので、言っちゃいます。(ネタバレはしませんよ)
2時間作品の前半は、ミステリー要素で成り立ち、後半の1時間は、謎解きと犯人、その動機にたっぷりと時間が割かれています。(金田一耕助が語る真相のシーンなど、お茶を濁したぐらいにしか見えないほど、長い!)
最初から、後半は人間ドラマと割り切って見た方が、感動すると思います。
▶︎▶︎▶︎ 娘を誘拐された富豪の蓮壁(はすかべ)千鶴男 (西村まさ彦)は、身代金を調達するために向かったのは、なんと廃坑だった。
誰も信用しない蓮壁は、トンネルの中に金庫を隠していたのだ。
ところが、そこに待っていたのは、目を真っ赤に光らせた野犬で、彼は噛まれてしまう。
後日、蓮壁は、誘拐事件の依頼をリモートで若宮潤一(岩田)と話していたが、その最中に死んでしまう。
死因はなんと、狂犬病だと言うことが分かるが、その死に不信感を抱いた誉獅子雄(ディーン)は、瀬戸内海に浮かぶ孤島へと向かう。
そこで待っていたのは、野犬の呪いにまつわる言い伝えと、新たな殺人だった……。
見所&解説
ミステリーファンは何を感じる?
シャーロック・ホームズの名前が絡んで来ると、ミステリー・ファンの見る目が、途端に厳しくなる、そう思いませんか。
僕も、そんなミステリー・ファンの一人なんですが、物語半ばにして、すぐに犯人が指摘され、え? もう終わり? と思ってしまいました。
実際は、そこから長い犯行の動機と、種明かしがあります。
タイトルから勝手に、本格ミステリーを連想した自分が悪いのか、期待していた物語とは違っていました。
「バスカヴィルの犬」「閉ざされた島」「大富豪の古い屋敷」「連続殺人」と言ったキーワードが揃えば、誰しも本格物を連想するのは仕方がりません。
逆に考えれば、宣伝(予告)に踊らされた、と言う事なのかも知れません……。
だからと言って、つまらない映画なのか? と言えば、そうでもありません。
考え方を変えると、この作品の違った面が見えてきます
普通、ドラマ的要素の強いミステリーなら、ドラマティックな物語の中に、ミステリー要素をはめ込むか、ミステリーとドラマをバランス良く融合するような形で展開すると思うんです。
ところが、何度も言いますが、この映画は、前半をミステリーで固め、後半はどうしてこの事件が起こったのか、その説明に終始します。
ミステリーは途中で一転し、親子の物語へと転換されるのです。
これって、ミステリー映画として、珍しい展開だと思いませんか?
ミステリーを冠に公開するなら、真犯人を突き止め、その真相を映画の最後に持ってきた方が、収まりがいいからです。
言い換えるなら、それがミステリーの定番、スタンダートだと言えます。
この作品は、そこから大きく逸脱しているんです。
今すぐ、これと良く似た映画を言ってみろ、と言われても、中々思い出す事が出来ません。
そう考えると、この映画には、新しい価値があるんじゃないでしょうか。
もちろん、ミステリー・ファンとしては不満もあります。
その不満は、ネタバレで解説(いや、ぼやき)として言及します。
未見の人、まず映画を見てから、また遊びに来て下さい。
さて、「バスカヴィル家の犬」と言えば、コナン・ドイルの小説の中では魔犬として扱われてきました。
この映画の中に登場する犬は、種明かしをすれば、なんと「ドローン」を使った、極めて現代的なトリック(?)でした。
まさかとは思っていましたが、僕の推理(?)が、これほど簡単に的中したミステリーも珍しいんです。
このトリックは、いくら何でも、ひどくない?
そう感じたミステリー・ファンも多いのではないでしょうか。
後半の物語が、個人的には突き刺さっただけに、このトリック、(狂犬病も合わせて)残念な気がしますね。
最近のソフト、特にブルーレイは高いなぁ……。
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