レコード、カセットは復活した。じゃあ、ビデオテープはどうした?
どーも、ロッカリアです。
ゴールデンウィーク中に、ふとした事から、幻の映画が目に留まり、つい記事にしたくなりました。
最近、レコ屋はもちろん、街の雑貨屋やアパレルショップでも、レコードが当たり前のように並ぶ光景をよく見かけます。
音楽好きの若い世代が、ターンテーブルを回している動画も、SNSで見かけるのは当たり前。
カセットテープもしかり。(映画『パーフェクト・デイズ』でも話題に)
「あえて不便を楽しむ」と言う感覚が、欧米を中心に浸透してきました。
昭和レトロの文脈とは、少し違うと思いますが、日本でもその波は確実に広がっていて、アナログブームはもう一時的な流行ではなく、“定着”しつつあるように思えます。
そんな中で、僕が気になったのが「ビデオテープ」の存在
つい最近、イタリアン・ホラーの傑作『サスペリア』が、なんとビデオテープで再発されるというニュースが流れて来ました。(限定500個!)

(市販のビデオ・パッケージとは違います ↑ )
今の時代にVHSで!? と驚きつつも、映画ファンとしては、なにか胸がざわつきました。
これは単なる懐古趣味ではなく、「映画の記憶」としてのメディアを再発見する動きなのではないか、一瞬そう感じました。
実は、僕の手元にも、昔集めたビデオソフトがいくつかあります。
中には、いまだにDVD化もされていない、忘れられた映画たちが眠っていて、誰かがデジタル化してくれない限り、今ではもう観る手段のない作品ばかり。
でも、そこにこそ“映画の宝石”のような一本が隠れていることもあるのです。
今年のゴールデンウィーク中、映画ソフト(DVD&ブルーレイ)を整理していたら、その「宝石」がひとつ、思わぬ形で現れた。
出てきたのは、1994年に公開された映画『RAMPO』。
江戸川乱歩生誕100年を記念して製作され、黛りんたろう版と、奥山和由版に加え、インターナショナル版の3種類が存在する事で知られる、いわば“幻の映画”。
円盤ソフトになっていない、入手困難なこの作品が、DVDの山の中に息をひそめていました。
手に取った瞬間、パッケージの手触りと少し色褪せた背表紙に、当時の映画館の空気が蘇ってくるようだった。


(当時、レンタル落ちを買った記憶が蘇ります)
ネガティヴすぎるビデオテープ
レコードプレーヤーやカセットデッキは、今や手頃な価格で、新品も手に入るようになっています。
しかしビデオデッキはそうは、簡単にいきません。
構造が複雑で、高価なゆえ、デッキを再び製造するなんて、今更どんなメーカーでも、再生産するなんて無理でしょう。
リサイクルショップやネットオークションを駆け回り、「動く」デッキを見つけるしかありません。
しかも、いつ壊れるかもわからないと言うスリル付き。
僕は、今はもちろん使っていませんが、かなり高いS-VHSデッキを持っています。
なんだ、じゃぁ話は簡単、映像端子と音声端子をAVアンプに繋げればオッケー……、じゃないんです!
1. デッキはちゃんと動くのか?
2. 動いたとして、テープは正常に動くか?(回転ムラは?)
3. トラッキングは合うのか?(磁気は消えていないのか?)
などなど、色々心配事だらけなんです。(しかし、これは近いうちに、意を決して映してみなければ、と思っています)
また、上手く再生できたとしも、コピーガードの影響で、DVDに焼き直し、手元に置いておくのは、難しいかも知れませんね。
また、音楽の世界では、「アナログの方が音がいい」「温かみがある」とよく言われます。
でも映像においては真逆。
ビデオはデジタルに比べて圧倒的に画質が悪い。
色もにじむし、テープが劣化してノイズが走ることもある。
「見たい!」と言う欲望の方が勝つ!
それでも、映画ファンとしては、画質よりも「見たい」という欲望の方が勝ってしまう。
今では手に入らない、あるいは存在すら忘れ去られた一本に出会えるなら、少々のノイズなんてどうでもいい。(動けばの話…)
そう考えると、ビデオテープと言うのは、ただの映像メディアではなく、「その時代にしか存在しなかった映画の記憶」だったんだと気づく。
『かもめのジョナサン』『銀河伝説クルール』等々、まだいっぱい持ってます。(ああ、見たい!)
アナログブームがここまで広がった今、映画の世界でも、ビデオが再評価される日が来てもいいんじゃないでしょうか。
少なくとも、映画を愛する者としては、あの磁気の匂いとともに眠る幻の映画を、もう一度光の下に引っ張り出してあげたい、そんな思いに駆られた、ゴールデンウィークでした。
コメント