映画『エターナル・サンシャイン』パートナーと別れる前に見て欲しい作品

どんなに愛し合っていても、ちょっとした事で冷めてしまうのが恋愛。
もうダメだな、と決断する前に、この映画を見ると……。
どーも、ロッカリアです。
DVやモラハラと言った事は論外ですが、感情の行き違い、あるいは思い込みで、パートナーとの仲が上手く行かなくなったら、この映画を一度見てから、判断するのも一つの手、だと思います。
何故なら……。

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詩人ニーチェとポープの思想を、SFで味付けしたラブ・ストーリー

・最近パートナーとの関係が悪くなってきた
・恋愛がマンネリになってきた
・恋人と、あまり良い思い出が無い

どんな映画?

男女の関係が上手く行かなくなった時、その記憶を、ある装置で消し去る二人……。
詳しい説明は、物語の根幹に関わるので言えませんが、伏線が多いので、最初からじっくり見て下さい。
最後にネタバレで解説します。
まずは、ニーチェとポープの詩を、劇中に投影した物語を楽しんで、後からじっくり考えましょう!
主演のジム・キャリーは、彼の得意とするコメディ路線の真逆を行く、シリアスな演技に徹していて注目です。

▶︎▶︎▶︎ ナオミと言う女性と別れたジョエル(ジム・キャリー)は、会社に行くのを突然やめ、海辺に向かった。
そこで、オレンジ色のパーカーを着た、ブルーの髪が鮮やか女性クレメンタイン(クレム)と出会う。
二人が同棲を始めると、最初は良かったが、徐々にケンカをするようになり、クレムは出て行ってしまう。
バレンタインデーが近付いたある日、ジョエルは仲直りをしようと、プレゼントを持って、彼女の働く書店に行くが、クレムはジョエルの事をすっかり忘れていて、挙句に若い男とイチャつく始末。
実は、クレムは、記憶を消す装置で、ジョエルとの思い出を全て消し去っていたのだ。
ならば自分もと、ジョエルも記憶を消す装置で忘れようとするが、無意識のうちに、彼女との思い出を消すことに抵抗する自分が現れて……。

見所&解説

詳しく言えないが…

何故、特に前半に不思議な事が起こるのか?
観客は、トリッキーな物語の進行ため、最初から充分に注意を払って見るほ方がいい。
それが、この物語を深く理解する事になるからです。

監督は意図し、ワザと見る者を混乱させます。
ヒントを一つ言っておくなら、クレムの髪の毛の色が、なぜ頻繁に変化するのか? を頭の隅に留めておいた方がいいと思います。(僕がもう一度この映画を見るとしたら、探偵小説を読むように、メモを取りながら見ると思います)

痴話ゲンカにウンザリしないこと

他人の痴話ゲンカを見るほど、つまらないものは無い。
しかも、この痴話ゲンカは、おそらくその辺で見られる、ありきたりの痴話ゲンカ。
これを映画で見せられたら、やっぱり嫌な気持ちになりますよね。
しかし、普通のケンカを観客に提示する事で、万人に考えさせられる、共通の問題定義がされています。
もしこれが、暴力やハラスメントに起因するものなら、とっとと別れる必要あり、と言う答えがあるからです。

中盤から後半の展開が凄い

詳しく書くと興味が薄れるので辞めておきますが、一つだけ。
記憶を消す装置をベッドで装着したジョエルは、クレムの記憶を消し始めたプログラムに、夢(と言う表現が正しいのかは不明)の中に登場した自分が、記憶を消すまいと抵抗を始めます。
それがどうしてなのかは、見てのお楽しみです。

男であれ女であれ…

パートナーとの関係をナシにしようと考えてる人は、その前に、こんな考え方がある、と言う内容のこの映画を見ては? と言う事を提案します。
選択肢が増える事は、その後に歩む人生の選択肢も増える、と言う事じゃないでしょうか。
もちろん、別れるなんて考えが必要がない人でも、普通に見る価値はあると思いますけど。

あくまで個人の意見です

以下、ネタバレで解説して行きますので、未見の人は読まないで下さい。

後半の終わりの方が、実は作品の冒頭に繋がっていおり、ラストはその冒頭のエピソードから、新しい物語になって行く、と言う複雑な展開。
そんな本編を紐解いていきましょう。

ニーチェとポープの詩を引用

「悪い思い出は消す方がいい」(ニーチェ)
「全てを受け入れるのが愛」(アレキサンダー・ポープ)

つまり、悪い記憶は消した方が、良い人生を送れるのか?
それとも、その悪い記憶を糧にして、それを教訓とし、人生に積み上げて行くのか?

ポープは言う。
「全てを受け入れるのが愛か?」
良いこと悪い所、全てを含めて、その人を愛せるのか?

主人公ジョエルは、全てを受け入れて、クレムを愛して行こう、と言う感じだが、最終的には、その判断を観客に任せるようなラストでした。

実際、どちらが正しいのか? 
そんなのは、人生最後の時にしか分からんと思います。
だからこそ、嫌になった時は、もう一度心を、白紙の状態で人生と向き合い、パートナーの事をちゃんと見て理解する努力が必要、そう問いかけている作品じゃないのかと感じました。

この映画の現代が、「Eternal Sunshine of the spotless mind」(翳り無き心の永遠の陽光)と言う、ポープの有名な詩から取られているし、劇中での会話で、
クレムが「そのうち、私の嫌なところを見つけて、嫌な気分になるわよ」と言う言葉に対して、
ジョエルは「いいよ、それでも」と、泣き笑いするシーンに尽きるんじゃないかと、個人的に思っています。

作品の内容が複雑なだけに、この解説も難しい。
出来る事なら、白紙に戻してもう一度書き直したいなぁ……。

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