映画『レッド・サン』カウボーイと侍の友情に胸が熱くなる映画!
今日ご紹介する映画は、仏・米・日のサン大スターが共演し、公開当時、話題になった映画です
『レッド・サン』予告編
誇り高きサムライが、宝刀を探して大西部を行く姿にシビれる!
こんな人にオススメ!
- 仏・米・日、三大スターの共演が見たい
- カウボーイとサムライのロードムービーに興味がある
- シビれるような男たちのアクションが見たい
どんな映画?
アラン・ドロン、チャールズ・ブロンソン、そして三船敏郎と言う、当代きっての有名俳優によるウェスタンで、日本から来たサムライが、列車強盗やインディアンに襲われながらも、広大な西部を舞台に命をかけて宝刀を探す旅に出る。
地理に詳しいカウボーイとの道中は、最初、違和感だらけだが、あまりにも誇り高きサムライの姿に、日本人として感動を抑えられない。
この三大俳優が、一番油が乗っていた、1971年の作品。
監督は、『007』シリーズを手掛けたテレンス・ヤング。
▶︎▶︎▶︎ 帝(ミカド)から授かった宝刀を、アメリカ大統領へ献上するために、汽車で移動中だった日本大使一行は、列車強盗に遭遇し、強盗団の首領ゴーシュ(アラン・ドロン)に宝刀を奪われてしまう。
その仲間だったリンク(チャールズ・ブロンソン)は、金に目が眩んだゴーシュに裏切られ、危うく命を落としそうになった。
リンクと武士の黒田(三船敏郎)は、それぞれの目的でゴーシュを追う身になるが、与えられた時間は七日間。
友を殺された黒田に、リンクは金のありかを聞き出すまで、ゴーシュを殺すなと言うが、黒田は首を縦に振らない。
リンクはなんとか黒田に約束させようとするが、これがクライマックスに感動を呼ぶことになる。
見所&解説
これだけ日本文化を、とりわけサムライに対して評価された映画があっただろうか?
ドロンもブロンソンも、実はサムライ精神を知っていた?
1971年当時と言えば、外国映画に登場する日本人は、中国人が演じたり、変な役回りが多かった。(『ティファニーで朝食を』の管理人が頭から離れません!)
白人が中心の社会では、東洋人は相手にされていないのも同然だった。
ところが、この作品に登場する侍像は、日本人から見ても、ホレボレするぐらいカッコいい。
撮影当時、三船敏郎は日本人役者の中でも、外国関係者には高く評価されていたので(黒沢映画の常連だった事が大いに関係)「それは違う」「そんなことはしない」と、監督を含めた関係者にハッキリと意見を述べた。
だからこそ、一見、軽そうなヤンキー気質のカウボーイと、プライドの高いサムライとのハーモニーが奏でられた。
しかも、悪役を演じたアラン・ドロンは、映画『サムライ』で、殺し屋の心情をサムライとシンクロさせる役を見事に演じ、サムライと言う存在をすでに認識していた。
一方ブロンソンは、『狼の挽歌』で演じた殺し屋がある。
クールで非情な一面を持つ一匹狼で、その孤独さが、映画『サムライ』のドロンと似ている。
しかも、ドロンの『サムライ』と、奇跡的にシンクロするエンディングになっていたのは、偶然ではあるまい。
そして、『友よさらば』で二人は共演した事もあるが、この頃から相手をリスペクトすることが自然に出来ていたはずだ。
でなければ、これほど日本人(三船)をリスペクトした作品には仕上がらなかっただろう。
今と違って、1970年代とは、欧米人が東洋人に対する考え方は、かなり酷かった、そんな現実がありました。(どんな感情を持っていたか、同世代の人なら分かって貰えるでしょ)
アラン・ドロンが一番損した? それは違う!
当時、ハリウッド進出を念頭において、頑張っていたドロンだったが、この映画での役が酷評され、後にフランスに戻ることになったのは有名な話だ。
だが、現代の目で見て欲しい。
ブロンソンと三船を向こうに回して、ドロンの他に、一体誰が敵役を演じられたであろうか?
仲間に銃を抜いて、撃つのか? 撃たないのか? と言った緊張感を体から発せられるシーンは、ドロンの独壇場ではないか。
当時、ドロンを酷評したオールド・ファンには、今一度この映画を見返して欲しいものだ。
タイムリミット型アクション
黒田に当てられた猶予は、再び駅に戻ってくるまでの七日間。
つまり、タイムリミット型の作品だが、それほど時間を意識する必要はない。(結構のんびりだ)
ただ、このタイムリミットが、あの感動的なラストのワン・シーンを演出している。
男の約束を果たしたエンディングを、モーリス・ジャールの感動的なスコアが盛り上げる。
ここに注目!
ゴーシュとの闘いで、突然、インディアンのコマンチ族が襲撃してくると、ゴーシュとリンク達は一時休戦する。
だがその時、一瞬、黒田がゴーシュに対して、仇を撃てるチャンスの瞬間が訪れる!
この時の黒田の行動と、リンクのセリフ、行動が見るものを泣かせます!
このシーンだけは、見逃さないでね!
ヒッチ先生の【談話室】
西部にサムライと言う発想が、すごく面白かったんですが
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ 天地風雲』
『シャンハイ・ヌーン』『荒野のドラゴン』
東洋人が西部を舞台にした映画、結構あるけど、この作品ほど完成度の高いもんはないな
お前もしっかり、このブログで紹介していけよ
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