映画『ジョジョ・ラビット』笑って泣いて、考えさせられる戦争映画
予告編を見た印象と、実際に見た映画の内容が、結構違うって作品ありますよね。
この『ジョジョ・ラビット』がまさにそんな感じでした。
『ジョジョ・ラビット』予告編
戦争ほど、悲惨なものはない…
こんな人にオススメ!
- 「アンネの日記」を知っている
- コメディ映画は喜劇じゃなく悲劇、と言う面を見たい
- 妄想ヒトラーが、最後どうなるのか知りたい
どんな映画?
前半はコメディ・タッチ。
後半に向かうほどシリアスになって行くのは、少年ジョジョの成長を表しているから。
『マイティ・ソー:バトルロイヤル』『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』の監督タイカ・ワイティティが、2019年に作ったアメリカ映画。
ジョジョの妄想から生まれたヒトラーが、『ボギー!俺も男だ』のように、主人公に付き纏(まと)うのが特徴だ。
▶︎︎︎︎︎︎︎︎︎▶︎▶︎ 第二次世界大戦末期、ドイツ親衛隊に入隊したいジョジョは、子供を集めて訓練するキャンプに参加するが、ラビット、ウサギのように弱虫だといじめられる。
妄想ヒトラー(監督のタイカ・ワイティティ)の言葉に乗って、手榴弾を投げて勇気を示すが、木に当たって跳ね返り、足元で爆破、ジョジョは大ケガで入院してしまう。
怪我が癒えて、我が家に戻るが、死んだ姉の部屋で秘密の扉を見つける。
中に入ると、美しい少女エルサが隠れていたが、彼女はユダヤ人で、ドイツ兵に見つかると、収容所に連行、処刑される運命にある。
エルサを助けたのは母親のロージー(スカーレット・ヨハンソン)だったが、この事は二人の秘密にしようと約束する。
だが、戦争の悲劇は、ジョジョの運命を大きく変えて行った……。
見所&解説
個人的にですが、良く出来たコメディ映画は、チャップリンの時代から、哲学的な要素が含まれていると確信しています。
妄想ヒトラーは、本当に親友?
自分の部屋の壁には、ヒトラーやドイツ帝国の写真や新聞記事が貼られ、将来的には親衛隊に入ることを夢見る、愛国心の強い少年ジョジョ。
そんな彼は、苦しい時、辛い時は、妄想として現れるヒトラーに相談したり、アドバイスをもらって、困難な局面を乗り越えて来た。
実際の親友、ヨーキーを二番目だと言うほど、ヒトラーは一番の親友だった。
だが、そんな親友ヒトラーの、本当の姿に気付き始めたジョジョは……。
見所は登場人物たちの描写だ
ジョジョを取り囲む人々、母親ロージーはもちろん無条件でジョジョを愛している。
が、一方でレジスタンス運動を匂わしている。
クレンツェンドルフ大尉は、目を負傷して、子供達のキャンプや役所で働いている。
親友のヨーキーは、自分こそジョジョの一番の親友だと思っている良い奴。
このヨーキーとジョジョの節目の交友が、なんとも素敵だ。
そしてエルサは、ジョジョよりも少し年上で、ジョジョの知らない事を教えてくれる存在。
やがてジョジョは、そんな彼女を……。
特に、サム・ロックウェル演じるクレンツェンドルフ大尉のラスト近くの演技には、思わず涙が……。
この、登場人物を見ているだけで、この作品の素晴らしさに気付くはずです。
音楽にも工夫があります
オープニングをビートルズのドイツ語カバー曲「抱きしめたい」が流れ、コメディいらしい感じで始まるが、ラストに流れる曲は、詳しく言えないが、クラシックロック・ファンなら誰もが知る曲で、聞く人にとっては、そのバックグラウンド(ドイツと深い関係がある人)と合わせて涙する人も出て来るだろう。(僕はもちろん泣きました…。歳を取る、と言う事は、感動が増える、と言うことかも知れません)
戦争について、ちょっとだけ…
第二次世界大戦で、ユダヤ人を虐殺したドイツにとっても、戦争は悲惨なものだった。
最近では、インターネットの発達により、第二次世界大戦がどのようにして勃発し、日本が置かれていた立場も明確になり、真珠湾攻撃はいかにして仕組まれたか、などなど、新しい、と言うか、今まで私たちが知らなかった、あるいは間違って教えられていた歴史が、正しい解釈の方向へと歩み始めました。
映画の世界でも、そうした事実の基づいた、作品作りが昨今見られます。
結局、戦争で得をした国民なんて、世界中、どの国にも存在しないのではないでしょうか。
戦争ほど、悲惨なものはないんです。
ヒッチ先生の【談話室】〜チャップリン暗殺計画
お前、チャップリンの『独裁者』って映画見た事あるか?
あれは戦争を笑いものしたんじゃなくて、ヒトラーを皮肉った、反戦映画やろ?
その為、チャップリンは命を狙われた…
少し話して頂けませんか?
いわゆる、5.15チャップリン暗殺事件で、舞台は日本や。
だが、その日本で暗殺されかけたが、彼の命を救ったのも日本人やった。
チャップリンの運転手から、その才能が認められ、その時は秘書になっていた高野氏や。
この時暗殺されたんは、チャップリンの歓迎会を催していた犬養首相やった。
チャップリンは、高野氏のおかげで、官邸まで行きながら、結局歓迎会には不参加、命拾いした、と言う暗殺未遂事件や。
有名な事件やから、今更説明いらんやろうけど、戦争中にヒトラーを揶揄する映画を作るってことが、いかに命がけやったか、と言うエピソードやな
先生、今日もありがとうございました
作品インフォメーション
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