オンとオフを切り替えるためのレコード
毎週末の金曜日の夜、仕事モードから休日モードに切り替えるように、アナログ・レコードを聴きます。
これは儀式と言っても良いでしょう。
まず聴きたいアルバムをラックから選びます。この時のチョイスはその日の気分次第。
レコードをスリーブから取り出し、A面かB面かを確認、ターンテーブルの上に置きます。静電気やホコリ用のスプレーをかけ、専用のクリーナーで拭き取ります。
レコード針にもホコリが付いていないかを確かめる。アンプが温まる間に、コーヒーを入れる。
準備が整い、レコードに針を落とすと、あとは音楽に身を委ねるだけだ。
( ↓ 裏ジャケ)
だが、ここで油断してはいけない。
何故なら、レコードを聴きながら寝落ちでもしたら、レコードも針も痛めてしまう。
レコード盤の最後の溝のところで、ブチッ、ブチッと嫌な音をたて、止めない限り永遠に続くからだ。(大抵すぐに飛び上がって止めますけど…)
だからこそ、音楽とちゃんと向き合える。
レコードの音質に関しては色んな意見があるでしょう。
ハイレゾは最高とか、CDのフォーマットも最近良くなって来ているとか。
でもね、レコードにはそう言った音質だけじゃないインパクトがあります。
それがジャケット・デザイン。
この、約30センチ四方の大きさに広がるアートは宇宙だ! と言えば大げさかも知れないが、唯一無二の存在である事に間違いありません。
今週選んだ一枚は、1979年にリリースされた彼女のファースト・アルバム「浪漫」
ジャケットに写っているのが、トップカメラマンのノーマン・シーフが撮った本人。
CDももちろん同じジャケットだが、その美しさの表現において、比べ物にならない。
大ヒットした1曲目の「恋するチャック」から始まるこのアルバム、ジャケットの帯を拡大して見てもらえれば分かるが、一流ミュージシャンが彼女のために集結している。
マイケル・マクドナルド、スティーブ・ガッド、トム・スコット、ランディ・ニューマン、ジェフ・ポーカロにドクター・ジョン他。
これだけのミュージシャンが顔を揃えて、つまらんアルバムが出来るわけがない。
ウェスト・コーストでありながら、ジャズやブルース、ポップやロックと言うジャンルに縛られない内容になっている。
「イージー・マネー」や「ナイト・トレイン」そして「カンパニー」といずれも名曲揃いで、休日前に聴くにはぴったりの、落ち着いたアルバム。
日頃のストレスは、音楽のシャワーで洗い流しちゃいましょう。