• 『ザ・フォッグ』(1980)は、監督の世界観に酔いしれよ!

『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』映画のライナーノーツ

人間に突きつけられた問題は、答えの無いものになっている……。

『猿の惑星:創世記』『猿の惑星:新世紀』に続く三部作の完結編で、オリジナルとの世界観を一新したリブートだが、このシリーズは、オリジナルであまり気にならなかった、ある問題、課題を突きつけてくる。

この『聖戦記』は、シーザーの家族が殺され、その復讐をする姿を中心に描かれた、個人的な戦いだ。(前に作品とは性格が異なる)

この作品は、人とサルの姿が逆に描いて表現されている。

(モーリスは人間の良心です。↑ )

軍を率いる大佐は、猿山に君臨するボス猿になぞられて、その大佐の復讐に向かうシーザーたちは、極めて人間的な感情が反映されている。

観客は、迷わずシーザーたちに感情移入し、大佐を憎む……。

ん? 人間(観客が)がサルたちの姿を応援する? なぜでしょう。

このシリーズを見た時から、常にこんな疑問が頭の中に渦巻いていました。

それは、サルが、人間と同じ知能、感情、言葉を持ったとしたら、人間との違いは一体何か? と言うものです。

まず見た目がちがうだろう。でも人だって肌の色や人種によって顔や体型が違う。

文化も全然ちがう。それも国によって全然違う。

子供を作り、家族を持ち、集団をつくり、やがて社会を作り出す。

長い年月をかけ、歴史を築き、科学や医療もマスターしていくだろう。

はて、そうなると人間とサルの違いは一体なんなのか?

人間が人間たるアイデンティティーとは一体なんなのか?

何故こんな事にこだわるのか?

これは映画の話で、フィクションでSFだ。サルが人間並みの知恵や科学力を持つなんて、真剣に考える方がどうかしている……。

でも、本当にそうでしょうか?

近い将来、これに似た現象が起こらないと、言い切れるでしょうか?

このサルを、ロボットに置き換えて考えると、ちょっと怖い未来が見えてこないでしょうか?

人間以上に発達した知能をチップに押し込めたロボット、人間の行動をコピーし、言語を操り、やがて感情が芽生えた(この説には賛否あり)としたら、人間とロボットの違いは?

肉体と機械では全く違う? 将来人間は、損傷した部分の機械化をより進めるだろう。

人は子孫を残す? ロボットだって新たなな種を次から次へ、生産という形で作っていくだろう。(『ブレードランナー2046』の奇跡には異議あり!)

そうなってくると、人間とロボットの違いは、なに?

サウジアラビアではすでにソフィアという人型ロボットが市民権を得たと言う、笑うに笑えない事実がある。

人類は、近い将来、人間としてのアイデンティティーが揺らいでしまうのではないか?

唯一、人間が人間らしいと思えることがある。

猿は猿を殺さない(コバ)と言っていた。

ロボットは完成されてくれば、極端に正確な存在になるに違いない。

人間は、間違いを犯す。

人間は人間を殺す。戦争を起こす。環境を破壊する。過ちを繰り返す。

この愚かさこそが、人間がではないのか?

そうだとしたら、人間とは、なんと悲しい生き物なんだろうか……。

ん? なんか都市伝説になってるじゃないか!

ほんと、人間とは愚かな生き物なんだなぁ。(←あんただよ)

映画はシリーズ全てを見ることで完結すると思います。とても見ごたえのあるリブート作品になっているので、まだ未見の人にはオススメです。

あと、作中の少女にノバ、シーザーの子供にコーネリアスと名付けているのは、もちろんオリジナルへのオマージュですが、実際にはストーリー上、数百年(西暦2673年)が経過しているので、本人であるはずがありませんね。

監督の遊び心とリスペクトに乾杯、ですね。

個人的に本当に見たい『猿の惑星』は、ティム・バートンの『PLANET OF THE APES:猿の惑星』の、ラストから始まる続編です。

どうして作らないんでしょうかね……。

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